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キングソフト、ビジネスチャット「WowTalk」で生成AIチャット機能「WowTalk AI」の正式提供を開始

 キングソフト株式会社は4日、ビジネスチャット・社内SNS「WowTalk(ワウトーク)」で提供していた、ChatGPTを活用した機能の正式版を含む生成AIチャットサービス「WowTalk AI」を、4月2日より提供開始したと発表した。

 WowTalkは、チャットや無料通話、社内SNSなどに加えて、匿名相談、安否確認、社員間で感謝を伝えることができるサンクス機能などを備えたビジネスチャットサービス。同サービスでは、社内問い合わせ業務が自動化できる「AI人事アシスタント」、ユーザーが個別にカスタマイズしたAIアシスタントがチャットで質問に回答する「AIドキュメントアシスタント」機能などを提供してきたが、今回は既存機能を進化させた生成AIチャットサービスとして、WowTalk AIを開発した。

 API連携のため、入力したデータが学習モデルに利用されることはないほか、管理者はAIの利用履歴を取得可能。また管理画面からAIチャットサービスごとに利用範囲を指定でき、全社一括設定だけでなく、部門単位での設定にも対応する。

 また、PDFやPPTXファイルをそのまま登録できるので、学習用データの加工作業は不要。なお、「チームで利用」「個人で利用」(後述)では、生成にあたって参照した文献がメッセージの最後に記載される。

 WowTalk AIは、WowTalkの契約ユーザーなら毎月「契約ID数×5000」までのトークンが無料で利用可能。無料利用(フリープラン)の場合は、AIエンジンはGPT-3.5固定となる。一方で有料のアップデートプランでは、月額1万円(税別)で毎月50万トークンまで利用可能。有料プランではGPT-4.0も利用できる。

3つのラインアップを提供

 WowTalk AIでは、3つのラインアップを提供する。1つ目の「チームで利用」は、全社員が共用で使えるAIチャットサービスで、管理者は最大5つまでオリジナルのAIを登録でき、それぞれに任意のデータを学習させることが可能になっている。例えば、「人事AI」を作成し、人事労務に関する社内からの問い合わせ対応をAIに任せたり、「情報システムAI」を作成して、社内ITに関する社内からの問い合わせ対応をAIに任せたり、といったことが可能だ。

 また2つ目の「個人で利用」は、ユーザー自身がカスタマイズできる、自分専用のAIチャットサービス。学習させたいデータ(20個)をAIに登録でき、データに基づいてユーザーからの質問に回答する。用途としては、営業が自社製品の関連情報を登録し、自分専用の「製品開発サポート」として活用する、テクニカルサポートが過去対応履歴を資料化して登録し、いつでも引き出せる形で情報を蓄積する、といった活用法が想定されている。

 最後の「AIとトーク」は、ユーザーからのさまざまな質問に対してAIが一般的な回答をするもの。AIに役割を与えることで、キャッチコピーやPR文などの文章作成のサポートにも活用できるとした。