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クリックテック、東京にクラウドリージョンを開設 国内企業のより安定したシステム運用を支援

 クリックテック・ジャパン株式会社は26日、2024年度の事業戦略説明会にて、日本初のクラウドリージョンを東京に開設したことを発表した。

 クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏は、「日本の戦略的な活動により、さらなる日本市場への投資を得ることができた。日本にデータセンターを設置することで、海外の法的規制や地政学的リスクの回避が容易になり、より安定したシステム運用が可能になる」と述べた。

クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー 今井浩氏

 また、日本リージョン以外でのクラウド利用が社内規定によって制限されていた企業は、これまでオンプレミスを利用しており、クラウドでのみ提供されていた一部の最新AI機能などを利用することができなかったが、「そのような企業でもクラウドと最新機能を安心して利用できるようになる」と今井氏。

 さらには、「これまでレイテンシーが問題になったことはないが、レイテンシーの改善にもつながるため、より速度が求められるミッションクリティカルなシステムにも安定したサービスが届けられる」とした。

東京クラウドリージョンを開設

 国内クラウドリージョンの開設のほかにも、今井氏は日本での戦略として、SAP内外のデータを視覚化し、データを行動につなげるよう支援するアクセラレーターパッケージを提供することや、昨年買収したTalendとの統合が完了したことを機に、QlikとTalendのそれぞれのパートナープログラムも統合しクロスセルの機会を増やすこと、そして新パートナーの開拓に取り組むことなどを挙げた。

Qlikのソリューション。赤い「+」がTalendの買収による機能だ

新生Qlikのグローバル戦略

 今井氏は、Talendとの統合で新生Qlikとなったことによるグローバル戦略についても説明、「企業が持つデータと、企業が望む成果にはギャップがあるが、成果を上げるにはデータを収集して理解し、信頼性を担保した上で、誰もがデータを分析できる状態にし、そのインサイトに基づいて行動に移す必要がある。新生QlikはAIの力も駆使し、このデータから成果への流れのギャップを埋めるよう支援する」と述べた。

新生Qlikが目指すもの

 Talendの買収では、基本サービスとなるAPI生成やオーケストレーションの機能に加え、SaaSアプリコネクターや、ELT/データ変換、データ準備、品質とガバナンスなどの機能が加わった。このほかにもQlikのソリューションには、データ統合と品質、分析、AI、機械学習のさまざまな機能が備わっている。

 ここで今井氏は、あらためて生成AIとデータの重要性を強調し、「AI戦略とデータ戦略は連動させるべきものだ」と主張。Qlikが2023年12月にAI駆動型データ管理技術を提供するMozaic Dataを買収し、2024年1月には自然言語処理、検索、生成AIの技術を持つKyndiを買収したことも、AIとデータへの投資の一環だと説明した。

 また2月には、AIにおけるソートリーダーシップを目指し、AIの専門家を集めたAI Councilの設立も発表している。AI Councilでは、「QlikのAI技術への投資に関するアドバイスはもちろん、顧客やパートナーにとってのAIのあり方もアドバイスしてもらう」と今井氏は述べている。

 このほかにも、「Qlik Staige」という同社のAIソリューションを強化し、生成AIで課題となるハルシネーション(もっともらしい誤情報)を回避するソリューションをSaaSで提供する予定だという。

Qlik Staigeについて

 新たに買収した企業との製品統合や、AI Council、Qlik Staigeの詳細は、Qlikが6月に開催予定の年次イベントにて発表する予定だ。