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クリックテック、企業内の非構造化データから生成AIが適切な回答を提供する「Qlik Answers」を解説

日本語対応版は2024年末以降のリリースを予定

 クリックテック・ジャパン株式会社は18日、生成AIを活用したナレッジアシスタントの新製品「Qlik Answers」に関する記者説明会を開催した。

 「Qlik Answers」は、米国で6月3日~5日に開催した年次イベント「Qlik Connect」の中で発表されたデータ分析部門の新製品となる。説明会では、Qlik データ分析事業部ジェネラルマネージャーのブレンダン・グレイディ氏が登壇し、「Qlik Answers」をリリースする背景や製品概要について説明した。

Qlik データ分析事業部ジェネラルマネージャーのブレンダン・グレイディ氏

 グレイディ氏は、まずデータ分析部門のビジネス状況について、「現在、企業におけるAIの導入ニーズは加速しており、当社でも従来のBIビジネスからAIビジネスへと大きく舵を切りつつある。また、当社の調査では、すでに労働者の50%がデジタルネイティブであるという結果が出ており、これらの人材は職場でもスマートフォン上で使いやすいソフトウェアを求めている。こうした市場環境の中で、データ分析部門では、『データ分析体験』『予測AIモデル構築』『分析におけるユーザー体験』の3つを重点領域として投資を進めている」と述べた。

 具体的な投資のポイントとしては、「データ分析体験」では、データ分析アプリの開発者に対して、ナビゲーションの改善による使いやすさの追求、ビジュアライゼーションの強化、生成AIの活用による生産性向上を図る。「予測AIモデル構築」では、時間のかかるモデル構築作業の自動化、ユーザーに最適化した推奨モデルの提供、顧客のデータモデルの組み込み分析を可能にする。「分析におけるユーザー体験」では、データ分析を行うエンドユーザーに向けて、Qlik Insight AdvisorとMicrosoft Teamsの連携、未来志向の質問に答える予測AIの提供、数千の大規模言語モデル(LLM)と統合した生成AIの提供に力を注いでいく方針を示した。

 そして今回、生成AIを活用したナレッジアシスタントの新製品「Qlik Answers」をリリースする背景について、グレイディ氏は、「世界のデータの80%が非構造化データになっている一方で、非構造化データから価値を見いだせていない組織は70%に達するという現実がある。これまで、多くの企業が非構造化データの活用を試みては失敗してきたが、生成AIの技術を活用することで、その可能性と価値を解き放つことが可能になる」とし、「『Qlik Answers』では、PowerPointやWordのドキュメント、メール、Webサイトなどの非構造化データから生成AIが最適な回答を導き出し、ビジネスユーザーに提供する。社内に蓄積した非構造化データは、企業にとっての宝ともいえる存在であり、『Qlik Answers』を利用することで、その中から新たな価値を生み出すことができる」と説明した。

「Qlik Answers」をリリースする背景

 「『Qlik Answers』は、生成AIを搭載したプラグアンドプレイのソリューションであり、ユーザーの自然言語による質問に対して、パーソナライズされた適切な回答をリアルタイムで通知する。また、ドメイン固有の非構造化コンテンツをベースに信頼できる一貫した回答を作成し、十分な説明可能性に基づいて提供する。想定されるユースケースとしては、セールス部門から人事部門、IT部門、サプライチェーン部門、サービス&サポート部門、運用部門、財務部門、マーケティング部門まで、企業内のあらゆる事業部門で活用できる」と、「Qlik Answers」の製品概要を紹介した。

「Qlik Answers」の製品概要

 今後の展開についてグレイディ氏は、「『Qlik Answers』は現在、英語版のみでの提供となっているが、フランス語と日本語への対応を順次進めていく。日本語対応版については、今年末もしくは来年早々のタイミングでのリリースを予定している」と、日本市場でのビジネス拡大に向けて日本語バージョンをリリースする計画を明らかにした。