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パナソニック、TISの移行支援サービスによりCOBOLで構築された人事システムのオープン化を7カ月で実現

 TIS株式会社は16日、パナソニックグループが、TISのレガシーモダナイゼーションサービス「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を利用し、COBOLで構築された人事システムのJavaへのオープン化を、7カ月で実現したと発表した。同社によれば、移行後も、現時点まで業務トラブルゼロでシステム稼働を実現しているとのことだ

 パナソニックグループではこれまで、費用対効果の高いシステムからオープン化を行ってきたが、一部機能が、2023年7月末にEOS(End of Support)を控えたIBMメインフレーム上に残っていたという。

 そこで、EOSに間に合わせるだけでなく、将来的なCOBOL技術者不足の解消や中期的な運用保守人材の確保、メンテナンスのしやすさを考慮し、レガシー言語からJavaへのリライトを行う「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を活用した、短期間でのリライト案の採用を決定した。

 今回、パナソニックグループでは、以下の点を評価して同サービスの採用を決めている。

・業界や規模を問わず多数の実績があったこと
・言語変換だけではなく、ソフトウェア等の移行方針(ToBeモデル)を早い段階から提示するとともに、疑問点にも的確な回答が得られ、不安を低減できたこと
・現状分析期間の最小化や、機能の段階リリースを提案するなど、短期間での納期の実現性を高めたこと
・新旧比較テストのプロセスを入れるなど、品質担保を視野に入れた提案であったこと
・COBOLからOpenCOBOLへのリホストと比較しても同等の費用であったこと

 加えて、TISはパナソニックグループへの30年以上の支援実績があり、企業としてもソリューションとしても品質に信頼がおけたという点も決め手になったとした。

 なお、従来の「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」では、長期間の大規模案件が中心となっていたものの、この事例では、既存ベンダーと密なコミュニケーションを行い、役割分担を明確にしたスケジュールや要員計画の見直しを共同で実施したほか、品質担保の方法を見直して、早い段階からシステム全体の現新比較を推進することにより、2023年1月~2023年7月の7カ月間という短期間でのマイグレーションを実現し、EOSに間に合わせることができたとしている。

 パナソニックグループでは、こうしてCOBOLからJavaへのリライトを成功させたことで、技術者問題を解消。保守延長にかかる、数十億円規模の費用削減にもつながったという。一方TISでは、パナソニックグループの残存している他社ホスト上のアプリについても、脱ホストを目指して「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を提案する考えだ。

人事システムの移行イメージ