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NEC、2023年度上期連結業績は増収増益 純利益は前年同期の3倍以上に

 NECは、2023年度上期(2023年4~9月)の連結業績を発表した。

 売上収益は前年同期比6.4%増の1兆5488億円、営業利益は同101.9%増の279億円、調整後営業利益は同46.9%増の458億円。税引前利益は32.6%増の319億円、Non-GAAP営業利益は同150.7%増の461億円、当期純利益は同225.0%増の129億円、Non-GAAP当期利益は同279.4%増の255億円となった。

2023年度 上期実績サマリ

 NEC 取締役代表執行役 Corporate EVP兼CFOの藤川修氏は、「上期は増収増益となり、想定通りの進捗になっている。ITサービスは、第2四半期において、前年同期のNECエンベデッドプロダクツの株式譲渡益による60億円の剥落があったが、それを除くと増益になる。上期では、ITサービス、社会インフラともに増収増益になっている」と総括した。

NEC 取締役代表執行役 Corporate EVP兼CFOの藤川修氏

セグメント別の業績

2023年度 上期実績:セグメント別

 上期のセグメント別業績は、ITサービスの売上収益が前年同期比8.9%増の8434億円、調整後営業利益は前年同期から169億円増の593億円。そのうち、国内ITサービスの売上収益が前年同期比10.9%増の7057億円、調整後営業利益が前年同期から161億円増の548億円。海外(DGDF=デジタル・ガバメント/デジタル・ファイナンス)の売上収益が前年同期比0.6%減の1376億円、調整後営業利益が前年同期から8億円増の46億円となった。

ITサービスの概況

 ITサービスにおける受注状況は、全体で前年同期比1%減となったが、NECファシリティーズを除くと同4%増となる。そのうち、国内が同5%減、海外(DGDF)が同34%増。国内のうち、パブリックが同4%減、エンタープライズが同14%増。その他が同21%減となった。国内エンタープライズのうち、金融は同39%増、製造が同2%減、流通・サービスが同5%増となった。パブリックは前年度の大型案件の反動減が影響。金融は大型案件を獲得して大幅増。製造は低収益案件の獲得を見送る選別受注を行った結果、受注が減少したという。また、流通・サービスは好調を継続している。

ITサービス 受注動向:前年度比

 「ITサービスは、国内の旺盛な需要を継続し、企業向け、官公庁向けが好調に推移したほか、国内SIの収益性が向上している。アビームも好調であり、海外もKMDを中心に、NEC Software Solutions UK、Avaloqがともに増加している。製造業では選別受注をしていても売上総利益には影響しておらず、問題視はしていない」とした。エンタープライズでは、過去2年半に渡って、不採算案件は発生していないという。

 また、「内部では、年度内に売り上げがあがる『有効な注残』を見える化しており、それがITサービス全体では前年同期比10%以上増えており、特に、エンタープライズでは20%以上増えている」と、国内での旺盛な受注ぶりを示した。

 社会インフラの売上収益は前年同期比8.1%増の4788億円、調整後営業利益は前年同期から131億円増の158億円。そのうち、テレコムサービスの売上収益は前年同期比8.3%増の3679億円、調整後営業利益は前年同期から110億円増の59億円。ANS(Aerospace and National Security)の売上収益は前年同期比7.5%増の1109億円、調整後営業利益は前年同期から22億円増の99億円となった。

 「テレコムサービスは、グローバル5Gの構造改革の効果や、前年度に計上した一過性損失の75億円の影響のほか、海洋事業の売上増によって増益。ANSは、売上収益、調整後営業利益ともに堅調に推移したほか、上期受注が40%増加している。第2四半期では防衛領域を中心に複数の大型案件を獲得し、前年度の3倍強の受注額となった。防衛領域は、下期に控えている案件もあり、今後の伸びを期待している」と述べた。

 その他では、売上収益が前年同期比4.7%減の2267億円、調整後営業利益が31億円減の81億円となった。日本航空電子工業の影響により減益となった。

社会サービスの概況

通期業績見通しは据え置き

 一方、2023年度(2023年4月~2024年3月)通期業績見通しは、7月公表値を据え置き、売上収益は前年比2.0%増の3兆3800億円、調整後営業利益は同7.0%増の2200億円、Non-GAAP営業利益で前年比11.7%増の2200億円、Non-GAAP当期利益で同5.4%増の1400億円としている。

 ITサービスでは、好調な国内需要の継続を見込み、民需向けを中心に増収を計画。DGDFの収益性改善に取り組む。また、社会インフラでは、テレコムサービスおよびANSともに増収を計画しているとした。

2023年度 年間業績予想

 説明のなかでは、生成AIに関する取り組みについて言及。CDO直下に約110人の生成AI専門組織を設置したほか、生成AI活用のためのAdvanced Customer Programを立ち上げて、15の企業および大学と協働し、業種特化型LLMの価値を検証していることを示した。また、相模原市と生成AI活用に向けた共同検証を開始。同市が保有するデータを学習して、独自LLMによる業務効率化を検証しているという。さらに、安全、安心な生成AI環境の提供に向けて、Robust Intelligenceと、LLMリスク評価プロジェクトを開始したことにも触れた。

 NECでは、世界トップクラスの日本語性能を持ちながらも、130億パラメータという軽量なLLMを開発しており、すでに提供を開始。今後、グローバルで提供されている生成AIを超えるパフォーマンスを発揮するLLMの発表も予定している。

生成AIに関する取り組み