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テラスカイ、Salesforce上で動作する「mitoco ERP」で中堅・中小向けERP市場に参入
第1弾として会計システム「mitoco会計」を発表
2023年9月28日 06:15
株式会社テラスカイは27日、Salesforce上で動くクラウド会計システム「mitoco会計」を発表した。9月29日より提供開始する。料金体系は、Salesforce利用料を含むシステム使用料と、ユーザーライセンスの組み合わせとなり、システム利用料が7万円/月、ユーザーライセンスがStandardユーザーで1ユーザー1万円/月。
なお、今回リリースされるのは財務・管理会計(GL)の機能。今後、債務管理(AP)を2024年2月に、債権管理(AR)を2024年中旬に、固定資産(FA・LM)を2025年に、電債管理(ER)を2025年下旬に、それぞれリリースする製品ロードマップとなっている(発表時点)。
同時にテラスカイは、mitoco会計を含むクラウド型の各種業務システムをまとめた「mitoco ERP」ブランドも発表した。
mitoco会計のほか、富士通株式会社の国内独占販売権にてSalesforce上で提供している販売管理・在庫管理システム「GLOVIA OM」や、経費・勤怠やグループウェア/ワークフローなどのサービスからなる「mitoco」シリーズ、さらにはSalesforceのサービスなどが含まれる。これらを、Salesforceプラットフォーム上のオールインワンのERPとして提供する。
mitoco ERPの中の各サービスはさらに追加予定で、mitoco会計に続いて給与や人事なども今後リリースする予定。
mitoco会計、GLOVIA OM、mitocoシリーズ、Salesforceを1つの「mitoco ERP」に
同日に開催された記者発表会で、株式会社テラスカイ 代表取締役CEO 社長執行役員の佐藤秀哉氏は、Salesforceプラットフォームで提供してきた同社のさまざまな製品事業を紹介した。
中でも、販売管理・在庫管理・購買管理「Fujitsu GLOVIA OM」は、富士通の持っていた「GLOVIA」をSalesforceプラットフォーム上に焼き直したもので、2022年に日本国内での独占販売権を結んで、テラスカイが販売している。
そのうえで「GLOVIA OMには会計モジュールがない。今回mitoco会計を出すことで、完全なERPとして世に問うことができる。国内で初めてSalesforceプラットフォーム上でERPを提供するベンダーになる。1年半かけて開発してきた」と佐藤氏は語った。
なお、mitoco ERPの主なターゲットは中堅~中小企業の市場だという。中堅企業向けERPに参入する目算として佐藤氏は、「中堅向けERPは、大手が次々に撤退したことにより、2社ほどが最高益を出している。われわれはそこにSalesforceでチャレンジすることで、参入の意義があると考えている」とコメントした。
mitoco会計の特徴をデモ
株式会社テラスカイ 取締役 専務執行役員 製品事業ユニット長の山田誠氏は、mitoco ERPについて「テラスカイの製品とSalesforceについてのノウハウを集結した製品」と表現した。
その一環として今回発表されたのが、mitoco会計だ。
mitoco会計の特徴としては、まず、mitoco ERP全体として、すべてのシステムがその中で完結することを山田氏は挙げた。
2つめの特徴は、AIチャットボット「mitocoアシスタント」を組み込んでいることだ。会計システムの操作に詳しくない経営者が、例えば「今月のPLを出して」「レポート出力」などとチャット形式で自然言語にて指示すると、それを元に実行してくれるという。
3つめの特徴は、ガイドやツールチップなど操作を教えてくれるデジタルアダプションツールによって操作を助けることだ。山田氏は、これによって設定やマスターデータなどの導入処理もエンドユーザーがセルフサービスでできるものを目指すと語った。
ちなみに、ガイドやAIチャットボットには、独自のマスコットキャラクター「みとこん」があしらわれている。
最後に山田氏はおまけとして、2024年にベータ版を出す予定という将来の機能として、ChatGPTを使ったERPの操作もデモした。ChatGPTのインターフェイスに、Salesforce上のデータの検索を組み合わせたもので、対話インターフェイスからそのユーザーのSalesforce上の権限を使ってデータを取得できる。
デモでは、取引先の一覧を表示させ、その中の1つの企業の、担当者の連絡先を問い合わせ、売上の推移表をグラフで出力。さらに、同じ内容をフランス語で指示するところも見せた。