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ネオジャパン、最新版「desknet's NEO」に「ChatGPT」との連携機能を搭載

AVILENとの協業で「ChatGPT研修プログラム」も提供

 株式会社ネオジャパンは6日、同社のグループウェア「desknet's NEO」にOpenAIが提供する生成AI「ChatGPT」との連携機能を搭載した最新バージョン「V8.0」を9月28日から提供開始すると発表した。また、AIによるソリューションを提供している株式会社AVILEN(アヴィレン)と協業し、「ChatGPT」の研修プログラムも提供開始する。同日には、「desknet's NEO」の最新バージョンおよびAVILENとの協業展開に関する説明会が行われた。

写真左から:ネオジャパン 代表取締役社長の齋藤晶議氏、AVILEN 代表取締役の高橋光太郎氏

 「desknet's NEO」は、組織の情報共有とコミュニケーションの改善、業務効率化に役立つ27のアプリケーションを標準搭載したグループウェア。働き方改革・テレワーク・DX推進などを目的に、中小・大企業から自治体・官公庁まで、あらゆる業種・規模の組織や団体が活用しており、今年1月時点で、484万ユーザー以上の販売実績を持っている。今回発表した最新バージョン「V8.0」では、新たに「ChatGPT」への問い合わせ・回答が行えるAIアシスタント機能を標準搭載した。

「ChatGPT」と連携したAIアシスタント機能のデモ画面

 ネオジャパン 代表取締役社長の齋藤晶議氏は、「ChatGPT」との連携機能を提供する狙いについて、「昨今、生成AIの技術が注目を集めており、ビジネスでの活用も拡大している。当社も、日本の働き方を支えるIT企業として、AIの活用と普及に力を注いでおり、今回その一環として『ChatGPT』と連携したAIアシスタント機能を提供する。幅広いユーザーにAIによる生産性向上の恩恵を感じてもらう第一歩として、この機能を通じて、生成AIが使いやすい環境と活用ノウハウを提供していく」と述べた。また、AVILENとの協業展開については、「最新バージョンのリリースにあたり、当社がAI機能の拡充を担い、AVILENには顧客への導入サポートや研修・コンサルティングを担ってもらう。両社が協業することで、日本のDXをさらに加速し、AIによる大幅な生産性向上に貢献できると考えている」と意欲を示した。

ネオジャパン 代表取締役社長の齋藤晶議氏

 AVILEN 代表取締役の高橋光太郎氏は、「『ChatGPT』のAIは、トップ大学にトップクラスの成績で合格できるほどのスキルを備えており、すでに人間に近い知能を発揮できる状態になっている。数年後には、この何倍にもポテンシャルが高まることが見込まれており、あらゆる企業・組織に生成AIの活用が広がる可能性があると考えている。一方で、生成AIはデータとの連携が必須となるため、今後は、小規模な組織からも生成AIとデータとつないで活用する文化やスキルを根付かせていくことが重要になる」と、生成AIのビジネス活用拡大への課題を語る。「今回、国内で多くの企業にDXのプラットフォームを提供しているネオジャパンと協業することで、さらに幅広い企業に向けて、生成AIを活用した効率的な働き方を支援することが可能になる。この取り組みを通じて、国内企業のAI Transformationをより一層加速していく」と、ネオジャパンとの協業展開に期待を寄せた。

AVILEN 代表取締役の高橋光太郎氏

 「desknet's NEO」の最新バージョンに搭載されるAIアシスタント機能では、「ChatGPT」への問い合わせや回答が容易に行える環境をグループウェア上に実現。どの基本画面からでも「ChatGPT」を起動できるため、さまざまな日常業務の中で、生成AIを効率的に活用できるようになる。また、入力情報の安全性を担保することで、管理者は安心して生成AIを社内に展開することができる。なお、連携できる生成AIは、「ChatGPT」のほかに、マイクロソフトが提供する「Azure OpenAIサービス」もサポートしている。

 ネオジャパン マーケティング統括部の山田志貴氏は、「ChatGPT」のビジネス活用にあたって管理者が抱えている不安について、「社内の業務情報が外部に漏れてしまう心配がある」「利用者が『ChatGPT』をどんなことに使っているのか調べたい」「いきなり全員ではなく利用させる対象者を絞りたい」「インターネットアクセスを制限しているので、そもそも利用できない」といった点を挙げる。

ネオジャパン マーケティング統括部の山田志貴氏

 「AIアシスタント機能では、これらの不安を解消する仕組みも用意している。具体的には、『ChatGPT』に対して質問・回答した内容は、外部に記録・学習・再利用されないことを保証している。また、あらかじめ『ChatGPT』の利用を許可する組織・グループを任意に設定することができる。『ChatGPT』との会話内容を監査・ダウンロードできる機能も提供。期間と対象組織・ユーザーを指定して、履歴を一括エクスポートできる。さらに、自治体や金融機関などの閉塞ネットワーク内でも利用が可能。インターネットへのアクセスが制限された環境でも、desknet's NEOサーバーからAPIへの通信のみを許可することで生成AIにアクセス可能となる」と説明した。

 ネオジャパンとAVILENの協業により提供する「ChatGPT研修プログラム」のサービス内容については、AVILEN 執行役員の太田拓氏が紹介。「『ChatGPT研修プログラム』では、『ChatGPTビジネス研修』などのパッケージ型の研修プログラムから個別のコンサルティングまで、さまざまなプログラムを提供する。例えば、『ChatGPTビジネス研修』では、『ChatGPT』の基礎知識や業務で有効活用するための可能性をワークシートなどで探るだけでなく、情報セキュリティをはじめとするリスクも学習する。講座価格は一人1万1000円で、目安学習期間は2時間。この研修を受けることで、『ChatGPT』の基礎知識からビジネス活用に必要なリテラシーまでを1日で身につけることができる」としている。

AVILEN 執行役員の太田拓氏

 ネオジャパンの山田氏は、ChatGPT連携機能の今後の展開について、「今回提供するAIアシスタント機能は、素の『ChatGPT』と会話する初期バージョンと位置付けている。これを通じて、まずは生成AIに慣れてもらう。今後は、『desknet's NEO』に蓄積されている社内の業務情報と『ChatGPT』を密に連携させることで、さらに高度な機能を実現していく」との計画を明らかにした。

 なお、「desknet's NEO V8.0」のリリースと同時に、今年6月に発表したビジネスチャット「ChatLuck」と「ChatGPT」の連携機能も提供開始する予定。