ニュース

IIJ、「白井データセンターキャンパス」2期棟を運用開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は3日、同社の「白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)」で2022年5月から増設を進めていた2期棟の運用を、2023年7月に開始したと発表した。

 白井DCC2期棟は、エリア敷地面積約8000㎡、最大受電容量10MW(メガワット)、1100ラック規模の収容力を有し、今回、そのうちの約50%のラック運用を開始し、2024年2月には100%のラックを稼働させる予定。

白井DCC俯瞰図(2期棟は右手奥の建物)

 IIJでは、白井DCCは同社のクラウドやネットワークサービスの基盤設備が集約されている拠点の1つで、昨今のICT需要を背景としたIIJサービスの利用増加を受け、サービス基盤設備の拡張用ファシリティとして2期棟の増設が進められてきたと説明。また、近年はハイパースケールデータセンターの開設が相次いでいるが、これらは主にメガクラウドサービスプロバイダー向けであり、それ以外のサービス事業者や企業のコロケーション/ハウジング向けのデータセンター設備は供給が不足している傾向にあるという。

 こうした需要に応えるため、白井DCC2期棟は、サービス向け設備の収容スペースを拡張するとともに、プライベートクラウドを構築する企業・SI事業者や、AI基盤などを設置するクラウドベンダー・コンテンツ事業者、高い省エネ性能の再販用スペースを必要とするデータセンター事業者など、多様化するコロケーション需要に対応するとしている。

 また、データセンターで利用されるサーバーのCPUの最大消費電力(TDP)が今後300Wを超えると公表されていることや、急拡大する生成AIのデータ処理に必要とされる、大量の電力を消費するGPU搭載サーバーの需要も増えると見込まれることから、白井DCC2期棟では10~20kW/ラックの電力需要に対応する。

 さらに、2022年に導入された省エネ法のベンチマーク制度では、データセンター業が目指すべきエネルギー効率として「PUE 1.4以下」という水準が示されたほか、2023年度に非化石エネルギーへの転換措置が新設されたことや、RE100で追加性の高い再エネの普及を促すために技術要件が改定されたことなどから、データセンターは省エネおよび再エネ利用の取り組みがこれまで以上に求められると説明。白井DCC2期棟でも、IIJグループが従来培ってきた省エネ技術を結集することに加え、新しい技術の導入実験、技術開発を通じてカーボンニュートラル化を積極的に推進するとともに、顧客の脱炭素化を支援していくとしている。