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IIJエンジニアリング、白井データセンターでナノ秒単位の精度を持つPTP時刻同期サービスを提供
2025年4月8日 14:00
株式会社IIJエンジニアリングは8日、IIJ白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)において、ナノ秒単位の時刻同期精度を持つ時刻同期サービス「PTP時刻同期サービス Type-A」を提供開始したと発表した。
IIJエンジニアリングでは、近年、金融サービス分野で取引の正確性がより厳密に求められ、また映像制作・映像伝送分野などでIP化の進展に伴い、映像・音声同期の要件が高度化するなど、各分野において時刻同期の重要性が増していると説明。具体的には、従来のミリ秒単位の時刻同期精度のNTPに代わって、マイクロ秒~ナノ秒単位の時刻同期精度を持つPTPを利用した時刻同期が求められる機会が増えているという。
例えば、2018年からEUで適用されている金融業界向けの規制「MiFIDⅡ」や、映像分野のIPネットワーク準拠の標準規格「SMPTE2110」に準拠する時刻同期要件は、NTPでは満たすことができない。一方で、PTPの導入には衛星アンテナの設置や必要機材の調達・構築といった初期コストや、公開情報の少ないPTPのパラメータ設定や動作検証などが、顧客にとって高いハードルになっているとしている。
今回開始するPTP時刻同期サービス Type-Aは、IIJエンジニアリングが白井DCC内に用意する、全球測位衛星(GNSS)からデータを取得するPTPサーバーへの接続を提供する。
サービスでは、MiFIDⅡやSMPTE2110などの時刻同期要件を満たす400ナノ秒程度の時刻同期精度を実現。白井DCC内のPTPサーバーと、顧客のPTP対応のサーバーを構内配線により接続するだけでPTP時刻同期が利用でき、自社で設備構築・導入する場合に比べて初期コストを抑え、短期間で利用を開始できる。
白井DCC内のサービス設備は冗長化されており、構内配線も2系統提供する。デフォルトプロファイルとして、映像信号や補助データなどの役割の異なるメディアを同時に伝送できる、IPネットワーク準拠の標準規格である「IEEE1588 - 2008 v2」を提供する。