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IIJ、白井データセンターキャンパス2期棟の運用を7月から開始

 IIJは、白井データセンターキャンパス(白井DCC)2期棟の運用を、2023年7月1日から開始した。

 白井DCCは、2019年5月に約700ラック規模の1期棟の運用を開始。1期棟が満床になっており、1100ラック規模の2期棟を増設した。7月時点では、約50%のラックが提供可能で、2024年2月に100%の提供が可能になる予定。

2期棟サーバー室

 2期棟では、需要が拡大している自社サービス向け設備の収容スペースを拡張するとともに、プライベートクラウドを運用する企業やSI事業者、またAI基盤などを設置するクラウドベンダーやコンテンツ事業者、さらに高い省エネ性能の再販用スペースを必要とするデータセンター事業者などの、多様化するコロケーションニーズに対応する。

白井DCPの位置づけと2期棟の狙い

 昨今、ハイパースケールデータセンターが多数建設され、大規模から小規模(エッジコンピューティング)までデータセンターの形が多様化している。

 ただし、大規模データセンターは主にメガクラウドサービス事業者向けで、それより少し規模の小さいサービス事業者や、企業のプライベートクラウドを収容するようなデータセンターは不足傾向にある。白井DCCは、そのような需要に応える、クラウド基盤に最適化されたデータセンターとして設計されている。

 また2020年代には、AIの普及という大きな変化がデータセンター市場に起きている。AI基盤には高い処理能力が必要とされるが、そのための電力と冷却能力が必要となり、これは従来通りの設備ではまかないきれない。

 IIJでは、自社クラウド基盤として松江データセンターパークを開設し、そこで得た知見を元に白井DCCを開設した。「2期棟はクラウド基盤の最終形だが、そこで培ったノウハウを活用しつつ、AI基盤としてさらに電力容量や冷却能力の強化に取り組む3期棟へとつなげる」と、IIJ 基盤エンジニアリング本部長の久保 力氏は言う。

IIJデータセンターの変遷と白井2期棟の位置付け

2期棟の特徴

 2期棟の提供電源は230V30Aを基本とし、要望に応じて100V30Aの提供も可能。最大で、1ラック20kW程度まで拡張できる。

 直接外気冷却をベースとしたハイブリッド空調や、効率的に冷気を行き渡らせる「壁吹き出し空調」といった省エネ機能は、2期棟でも踏襲している。PUEの設計値は、1.2x以下。

白井データセンターキャンパス:空調設備

 1期棟との違いとしては、チラー運転の際の冷水管が、1期棟では足下にあったが天井に移動されたため、空調機械室のスペースが広くなっている。

空調機械室

 その他、カーボンニュートラルへの取り組みとして、バスダクト方式、リチウムイオン蓄電池の活用なども1期棟と同様。オフサイトグリーン電力の調達と分配や、大規模な太陽光パネルの設置などは、これから進める。

 さらに、1期棟から導入している自動受付システムをはじめ、ロボット、センサー、ビッグデータ、ローカル5G、AIなどの先端技術の導入と利活用により、データセンター運用の自動化領域をさらに拡大するという。

 白井データセンターキャンパス センター長の加藤佳則氏は、「松江DCPで成功したことを踏襲し、ぶつかった壁、課題を超えることに挑戦したのが白井DCC。IIJのこれまでのデータセンター技術を集約し、新技術を積極的に導入するモジュール型データセンター」言う。

白井データセンターキャンパス:2期棟概要

 また、白井DCCはR&Dの拠点という位置づけもあり、エッジコンピューティングに向けたマイクロデータセンターの実証も行っている。2021年11月にリリースしたDXEdgeは、ラックにサーバー、電源、空調を搭載した一体型で、キャビネットの蓋を閉じるとほとんど音が漏れない静音設計。ローカル5Gアンテナとセットで屋外に設置することを想定した展示が正面玄関前に設置されているが、オフィス内に置いてもさほど気にならなそうだ。

 また、写真には映っていないが、現在は筐体の上にスターリンクのアンテナが設置されていて、インターネット環境がないような遠隔地での利用も可能であることが実証済み。「通信スピードはADSL並だったので、実用に耐える」(高橋氏)とのことだ。

マイクロデータセンター