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物理的な水位計不要で河川の水位監視を実現――、ドコモグループ3社がトライアル提供開始

 株式会社NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、NTTコムウェア株式会社のドコモグループ3社は28日、AIを活用した河川・ため池水位監視ソリューションのトライアル提供を全国の法人・自治体向けに開始すると発表した。同グループでは、今回のトライアルを通じて、AI機能やアプリケーションの使い勝手などの改善を行い、2024年3月までのサービス提供開始を目指すとしている。

 今回トライアル提供を開始するソリューションは、物理的な水位計を不要とした水位監視ソリューション。仮想水位計とAI技術を活用し、あらかじめ設定した水位を超えると、自動的に河川管理を行う担当者へ通知する機能を備えている。

 導入にあたっては、河川やため池にカメラ付きの専用機器を設置し、撮影した映像上に仮想水位計を表示させて、映像認識AI技術を活用することで、現在の水位をリアルタイム、かつ正確に把握できるようにする。

 水位の判定は、セグメンテーションAI技術を用いて仮想的に設定した水位計に表示された水面と陸地の面積比から水位を割り出す独自のアルゴリズムによって算出する仕組み。また仮想水位計を複数設置すれば、AIの判定精度を高めることも可能とした。

仮想水位計は画面上に4つの点で設定できる

 また管理者は、クラウド上の管理画面にて、可視化された河川のリアルタイム映像や水位の時系列データが閲覧できるほか、AIの各種設定も行える。さらに、動画配信サイト上でライブ配信することも可能なため、例えば映像データを住民などに広く展開し、注意・警戒を促すといった使い方に対応する。

 なお今回、ドコモグループでは、社会インフラメンテナンスのソリューションブランド「SmartMainTechシリーズ」として、ドコモのAI技術を用いた水位判定AIを開発した。AIによる映像解析の基盤としては、NTT Comが提供する「EDGEMATRIX」を採用しており、撮影された河川やため池の映像データをEdge AI Box(エッジコンピュータ)にインストールされた映像解析AIアプリで解析し、その結果をSmartMainTechクラウドへ連携する仕組みによって、より速く映像を解析して水位判定を行ったり、映像を配信したりできるとのこと。

ソリューションの構成