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コニカミノルタと長野県、AIを活用した「ため池監視ソリューション」のPoCを実施

 コニカミノルタ株式会社は20日、長野県と共同で、AIを活用した遠隔監視ソリューション「ため池監視ソリューション」のPoCを七曲池(長野県中野市)にて開始したと発表した。

 コニカミノルタでは、全天候対応型AI搭載カメラから取得する映像データおよび水位計(冠水センサー)のデータから、河川やため池の状況解析をリアルタイムで行い、氾濫が発生する前に、4Gなどの通信を経由してスマートフォンアプリで状況を把握できる遠隔監視ソリューションを提供している。

 一方、長野県内には、690カ所の防災重点農業用ため池があり、149カ所に水位計および監視カメラが設置されているものの、豪雪や凍害により装置が故障する事例が発生しているほか、水位センサーが動物などの接触により移動または破損してしまい、正しく観測されない事例や、ため池が集落から離れた山間部などにあって、維持管理が容易にできないといった課題も抱えているとのこと。

 そこで今回は、2023年11月9日~2024年3月31日(予定)の期間で、コニカミノルタの遠隔監視ソリューションを用いて、七曲池の水位測定と遠隔ライブ映像による状況把握を、現場から約20km離れた長野県庁にて実施する。

 この監視ソリューションでは、過酷な環境下での利用に対応し、かつ昼夜関わらず高い視認性を持つMOBOTIX社(コニカミノルタグループ傘下)の監視用ビデオシステムを採用しており、寒冷・豪雪といった長野県特有の気象条件下においても、故障なく安定して稼働可能な装置の確立を目指すとした。

 また、物理センサー故障リスクの解消を図るため、カメラ本体に搭載されたAIを活用した画像解析による水位測定が適正かどうかも検証する。さらには、ライブ映像による遠方監視により、荒天時や水位急変時にリアルタイムで状況を確認できるかどうかも検証するとのことだ。