北海道石狩市とさくらインターネット、LoRaを利用した河川水位計測システムの試行運用を4月開始

　北海道石狩市とさくらインターネット株式会社は30日、石狩市域におけるIoT、AI、ビッグデータなどの情報技術の利活用による市民サービスの向上、教育分野におけるICT支援、および行政事務の効率化などを目指し、4月6日付けで包括連携協定を締結すると発表した。

　協定における取り組みの一つとして、無線通信（LPWA）の1つであるLoRaを活用した河川水位計測システムの試行運用を4月より開始する。実験では、2017年に大雨災害が発生した石狩市浜益区における河川水位情報を随時確認するため、同区内にLoRaの基地局を6台、6カ所の橋に水位計測センサーを設置し、水位情報の測定・蓄積を行う。

　システムのデータ通信には、さくらインターネットのIoTプラットフォーム「sakura.io」を利用。測定された水位情報は、石狩市役所内で市役所職員が閲覧・集計できる。

システムの概念図

　システムの有用性が確認されれば、避難所開設などのための状況判断に役立てるとともに、通行止めなどによりパトロールが困難となった地域においても、現地へ行くことなく水位情報が簡単に把握でき、スムーズな共有が可能となると説明。石狩市とさくらインターネットは、システムの本格運用への切り替え、センサーの増設や他地域への拡大、および蓄積したデータのオープンデータ化を目指すとともに、さらに他の分野におけるITを活用したまちづくりを協力して推進していくとしている。