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日立ソリューションズ・クリエイト、河川の水位上昇をAIが判定する新サービス

河川監視VMSとの連携により、監視員の負担を軽減

 株式会社日立ソリューションズ・クリエイトは12日、AIを活用して人が目視確認している業務の自動化を支援する「AIプラス 画像認識AIソリューション」に、河川の水位監視業務の負担軽減を図る「河川水位判定サービス」を追加すると発表した。河川の水位監視業務を行っている自治体などに対して、同日から提供を開始する。

 「河川水位判定サービス」は、カメラで撮影された河川の画像から水面の検出を行い、あらかじめ設定した水位がしきい値を超過しているかどうかをAIで判定するサービスである。

 通常の河川監視VMS(ビデオマネジメントシステム)は、河川を撮影した画像を表示するだけのものであり、カメラの設置数が増えると、それを目視確認する監視員の負担も比例して大きくなってしまう。これに対して、「河川水位判定サービス」と連携した河川監視VMSであれば、河川の水位上昇をシステムで監視できるので、監視員の負担を軽減するとともに、危険な水位上昇を見逃すリスクも低減可能とした。

 また、さまざまな河川で汎用的に利用できるよう事前学習を済ませたAIを提供するため、利用者がすでに河川監視VMSを保有している場合は、連携後すぐに利用可能な点もメリットだ。一方、河川監視VMSを保有していない場合は、ハイテクインターの河川監視VMSを導入・連携することにより、スムーズに「河川水位判定サービス」を導入できるとしている。

 なお、日立ソリューションズ・クリエイトは2021年に、河川の水位監視業務における課題と総合設備エンジニアリング企業である株式会社中電工の要請を踏まえ、中電工、およびハイテクインター株式会社の3社共同で、河川監視VMSで収集した画像からAIで水位を判定する新たな河川監視VMSの提供に向けて、広島県を流れる河川を対象にした実証実験を実施した。

 その結果、AIによる水位検出の実用性や、水位上昇を知らせる機能による監視員の負担軽減など、河川の水位監視業務における有効性を確認し、今回の製品化に至ったとのことだ。

 価格は個別見積もり。日立ソリューションズ・クリエイトでは、今後4年間で、累計1億5000万円の売上を見込んでいる。