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損保ジャパンがコールセンターにNTT Comの対話型AIを導入、1時間あたり最大3000件の受付を可能に

 損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は26日、損保ジャパンのコールセンター(事故サポートセンター)において、NTT Comが提供する対話型AI「COTOHA Voice DX Premium」を活用することで、最大で1時間あたり3000件の保険金請求の連絡を受け付ける体制を構築し、2023年1月から運用を開始すると発表した。

 顧客が事故サポートセンターに電話し、対話型AIを選択した場合やコールセンターが混み合っている場合、対話型AIが請求の手続きに必要な情報(氏名・電話番号・被害状況など)を聞き、損保ジャパンのシステムにデータを自動投入する。

対話型AIによる保険手続きの流れのイメージ

 首都直下地震の発生時には、平時の100倍以上の顧客からの連絡が予測され、通常のサーバーはダウンしてしまうが、対話型AIをクラウドサービス上で実装することにより、100倍以上の電話量に耐えうるキャパシティを確保した。

 顧客が携帯電話から発信した場合は、自動的にショートメッセージを送信して、有益な情報を提供することも可能となる。また、将来的にはそのショートメッセージを利用して、顧客が被害写真などを送信できるサービスを導入し、顧客の利便性をさらに向上させていくとしている。

 損保ジャパンでは、近年、台風や地震などの大規模な自然災害が多発しており、一時的に顧客からの電話が事故サポートセンターに集中し、また、電話対応する社員が交通機関の乱れにより出社できない事態も発生すると説明。そうした場合にも、顧客を待たせない取り組みを進めており、Webに加えてLINEを活用して連絡を受け付ける仕組みを用意しているが、多くの顧客が電話による連絡を選択しているという。

 損保ジャパンとNTT Comは、2020年に対話型AIによる災害時の請求の受付手続きの実証実験を行い、AIの有効な活用を模索してきた。DXの活用により、首都直下地震発生時などの事業継続計画(BCP)のさらなる高度化を進め、顧客に安心してもらえるサービスを提供するとしている。