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コンタクトセンターでの応対内容をセキュアにテキスト化、NTT ComがAIサービス「COTOHA Voice Insight」を提供

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は8日、コンタクトセンターの運営企業向けに、AIを活用して顧客との通話内容をテキスト化するサービス「COTOHA Voice Insight」を提供開始すると発表した。

 このサービスは、コンタクトセンターにおける通話の録音ファイルを、閉域網を経由して専有型のセキュアなクラウド上にアップロードすることで、通話内容をテキストファイルへと一括変換するもの。

 コンタクトセンターの運営にあたっては、顧客からの問い合わせやオペレーターの応対内容など、膨大な音声データを分析して応対品質の維持・向上を行う取り組みが求められているが、このサービスを利用して音声データをテキストデータ化すると、目視によるモニタリングや分析が可能になるため、業務の効率化を実現できるという。

 また、変換したデータはCSV形式でのダウンロードに対応しており、検索や共有、CRMシステムや分析ツールと連携したデータの利活用も可能になるので、オペレーター間でのノウハウ共有やスキルアップなどによる生産性向上、コンタクトセンターにおける顧客体験の向上など、さまざまな目的での活用を行えるとした。

 テキストデータ化には、日本語の発話内容(音声データ)を認識してテキストデータに置き換えられる「COTOHA API」の音声認識を活用している。このAPIでは、NTTグループのAI関連技術「corevo」の研究成果が活用されており、人間の声を深層学習によって精緻に分析できるほか、雑音に強い独自の音響モデルと発話区間検出技術により、高い認識率を実現しているとのこと。

 さらに、このサービスで利用する音声認識APIにはコンタクトセンター向けのチューニングを実施しているため、コンタクトセンター内の業務でよく使われる単語を正確に認識可能。管理画面から、商品名やサービス名などの単語をユーザー辞書へ登録する機能も備えているので、利用企業が自ら音声認識の精度を高めることもできる。

 なおNTT Comでは、テキスト化したデータの活用イメージを体感するための試用機能として、可視化ツールを無償で提供する。

可視化ツールのイメージ

 利用料金(税別)は、初期費用が10万円から、月額利用料が25万円から。また、閉域網接続を行うため、NTT Comの企業向けVPNサービス「Arcstar Universal One」の契約が別途必要となる。