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NEC、顔認証と虹彩認証を組み合わせたマルチモーダル生体認証ソリューションを販売開始

誤認証率100億分の1以下の高精度な認証を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は8日、NECの生体認証「Bio-IDiom」のフラッグシップとなるマルチモーダル生体認証ソリューションの事業を本格化すると発表した。今回は、顔認証技術と虹彩認証技術を組み合わせたマルチモーダル生体認証ソリューションを新たに製品化し、国内向けに同日より販売を開始する。また海外向けには、2023年春以降順次販売を開始するとのこと。

 今回発表した新ソリューションは、顔を向けるだけで、顔認証技術と虹彩認証技術により、誤認証率(他人を本人と誤って受け入れる確率)100億分の1以下の高精度な認証を即時に行えるもの。パスワードなどとの併用が求められる重要施設や高セキュリティエリアにおける厳格な入退場管理、大人数が利用する決済など、従来の生体認証だけでは導入が難しかった、幅広い利用シーンに適用できるという。

 また、一度に顔情報と虹彩情報を取得することにより、マルチモーダル生体認証を迅速に行える点も特徴。従来は取得が難しかった虹彩情報を正確にとらえるために、利用者の身長に合わせてカメラの位置を自動で調整したり、顔検出を利用して虹彩位置を正確かつスピーディに特定したりする機能を備えており、利用者は端末の前に立つだけで、即座に認証を行える。さらに、マスクやゴーグル・サングラス・帽子・手袋などの着用時や、両手が荷物で塞がっているようなシーンでも非接触での認証が可能になるとのこと。

専用認証デバイス「Bio-IDiom Multimodal Device」

 導入にあたっては、生体認証ならではのパラメータ設定や撮像環境の最適化検証など、複雑な設計は不要で、スムーズな導入に対応。加えてREST APIに対応しているため、入退などのさまざまなシステムとの連携も容易に行える。

 NECでは、これらの特徴により、導入時のコストの削減や導入期間の短縮が期待できるほか、カードやPINコードなど、複数の認証方法との組み合わせが必須となるシーンでの運用をこのソリューションに置き換えることで、システム管理者の業務負荷軽減も期待できるとしている。

 参考価格は、専用認証デバイス「Bio-IDiom Multimodal Device」3台によるサーバーレス構成の場合で300万円(税別)から。出荷開始は2023年2月を予定する。また、保守費用や周辺システムとの連携費用は別途必要になるほか、ID管理には認証ソリューションの購入も必要とした。

認証フローのイメージ図