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NECが非接触型のマルチモーダル生体認証端末を開発、顔・虹彩認証の統合で高い信頼性を実現
手袋やマスク着用時でも非接触の個人認証を実現可能
2020年5月14日 13:43
日本電気株式会社(以下、NEC)は14日、顔認証技術と虹彩認証技術を組み込んだマルチモーダル生体認証端末を開発したと発表した。
今回開発した端末では、顔情報と左右の目で異なる虹彩情報の3つの特徴を用いており、それぞれの照合結果を統合して判断する独自開発のアルゴリズムによって、他人受入率が100億分の1以下という高い認証精度を実現しているという。
また、利用者の身長にあわせて内蔵カメラが傾きを自動調整し、顔や目の位置をとらえて顔と虹彩の検出を同時に行う仕組みを搭載した。これまでは顔情報と比べて取得が難しかった虹彩情報を確実かつ高品位にとらえるため、顔情報から虹彩の位置を素早く正確に特定し、ピントや照明を瞬時に自動調整する技術を開発。個々に身長が違っても利用者に負担をかけることなく、約2秒間での高速な認証を行えるとしている。
さらに、顔と虹彩情報を活用したマルチモーダル生体認証技術の応用により、手袋、マスクの着用時や、両手が荷物で塞がっているようなシーンでも、非接触での個人認証を行えるとのこと。
NECでは、認証精度と利便性が高く、さまざまな用途で導入されている顔認証技術と、高度な個人識別が可能な虹彩認証技術を統合することにより、身体的特徴の多様性への対応が必要な大規模システムや、厳格な本人確認が必要な利用環境において、安定した精度で認証を高速に行えるとアピール。
国や社会などでの大規模人数を対象としたシステムでの活用や、高いセキュリティを求めるオフィスへの入退室、衛生面に配慮した服装やマスク着用が必要な食品工場、工場内のクリーンルーム、医療現場での入退室、さらにはATMでの本人確認や店舗での迅速な決済など、さまざまな用途での広がりが期待されるとしている。
まずは2021年度までに、決済や入退室用途での提供開始を目指すとのことだ。