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ヤマハ、Wi-Fi 6対応のエントリー向けアクセスポイント「WLX222」を正式発表

6万円を切る価格で10月発売予定

WLX222

 ヤマハ株式会社は12日、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応無線LANアクセスポイントのエントリーモデルとして、「WLX222」を10月に販売開始すると発表した。価格は5万9400円(税込)で、ホワイト、ブラックの2色展開となる。

 WLX222は、最新の無線規格であるWi-Fi6、2×2 MIMOに対応したアクセスポイント。2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n/ax、最大574Mbps)と5GHz帯(IEEE 802.11a/n/ac/ax、最大1201Mbps)を同時に利用可能なデュアルバンド仕様となっており、無線LAN通信の高速化に対応するため、有線LANのインターフェイスも2.5GBASE-T対応に強化されている。

 また、Wi-Fi 6に採用されている技術「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」により帯域を効率的に使用することで、多数の端末を接続する際にも快適な通信を提供可能とした。機器全体では、1台あたり最大140台(2.4GHz帯:70台、5GHz帯:70台)の同時接続に対応できる。

 加えて、無線環境を学習し最適化することでトラブルを未然に防ぐ「Radio Optimization機能(RO機能)」を搭載した。RO機能では、アクセスポイント本体が周辺の無線環境をモニタリングしながら、設定を無線環境に合わせて動的に変更し最適化することで、ネットワーク管理者が想定する無線LANの利用イメージに近づくように支援できる。なお設定の最適化においては、ヤマハがユーザーサポートを通じて蓄積したトラブルシュートのノウハウを、判断基準の一部として利用しているとのことだ。

 管理面では、既存のWi-Fi 6対応ハイエンドモデル「WLX413」、Wi-Fi 5対応エントリーモデル「WLX212」と同様、オンプレミス型の「クラスター管理機能」に対応し、同じレイヤ2のネットワークに接続されている複数台のヤマハ製アクセスポイントを、本体内蔵の「仮想コントローラー」により簡単に一元管理できる。このため、WLX212を利用したWi-Fi 5環境からWi-Fi 6環境への段階的移行や、設置環境に合わせた柔軟な無線LAN環境の構築を簡単に行えるという。

 また、アクセスポイントを追加・交換したい場合は、導入する機器を同じレイヤ2のネットワークに接続するだけで、ほかの機器と共通の設定が「仮想コントローラー」から自動的に同期されるので、無線エリアの拡張や機器交換も容易に実行可能。無線チャンネルやSSIDなどを個別に設定したいケースでも、事前に「仮想コントローラー」へ設定を入力しておくと、アクセスポイントの追加時に設定が自動同期される。

 さらに、アクセスポイント単独での管理のみならず、クラウド型ネットワーク管理サービス「YNO」に対応し、ネットワーク上にあるWLX222と、ハイエンドモデル「WLX413」、ローエンドモデル「WLX212」の設定や監視、ファームウェアアップグレード、接続端末の監視といった遠隔からの一括管理を実現した。製品には、最大1年間無償で使える「YNO」ライセンスが付属し、2年目以降もライセンスを購入すれば継続して利用できる。

 セキュリティ機能としては、RADIUSサーバーを搭載し、最大1000件の端末のWPA/WPA2/WPA3エンタープライズ認証が可能。加えて認証局も搭載し、EAP-TLS認証で使用する証明書を発行すれば、WLX222単体で高度なセキュリティシステムを構成できる。さらに、無線端末の認証だけでなく、ヤマハの各種スイッチのポート認証にも対応する。

 なお、既存機種で好評な「無線LAN見える化ツール」も搭載しており、WLX222ではクラウドとオンプレミスの双方で同ツールを利用できる。周辺のアクセスポイントの無線状態や接続端末の情報などをグラフィカルに表示できるほか、検出した値をヤマハが独自に策定した基準で評価し、その結果を分かりやすく色別に表示してくれるため、常に変化する無線LANの状態を視覚的に把握可能だ。

 このほか、さまざまな設置環境に対応できる点も特徴。動作環境50℃に対応し、50℃の環境でも通信速度等の性能が低下しないため、学校や店舗、工場など、高温になりやすい環境でもフル性能で利用できるという。

 マウントパネルが付属し、壁や天井への設置が可能。同梱のスタンドを取り付ければ卓上への設置にも対応する。その際、内蔵アンテナの指向性あり/なしを選択することで、電波を飛ばす方向を切り替え可能だ。なお、このマウントパネルはWLX212と共通で、WLX212から置き換える場合は既設のパネルを交換する必要がない。

 また電源についてもPoE(IEEE 802.3af準拠)で動作するので、Wi-Fi 5対応のアクセスポイントで主流だったIEEE 802.3af対応のPoEスイッチやパワーインジェクターがそのまま利用でき、スムーズな移行を実現するとしている。