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金融サービスにおける“顧客の声”を活用――、FRONTEOが新AIソリューションを提供

 株式会社FRONTEOは19日、自社開発のAIエンジン「Concept Encoder」をビジネスインテリジェンス(BI)領域で活用するAIソリューション「WordSonar」において、“お客さまの声”を解析し、不祥事の予兆発見や顧客ロイヤルティーの向上を実現する金融機関向けソリューション「WordSonar for VoiceView」を提供開始したと発表した。

 WordSonar for VoiceViewは、金融機関における電話等の音声をテキスト化したデータや、メール、チャット、さらには窓口や営業スタッフが記載する日報など、多様な手段で集められた膨大な“お客さまの声”を一元的に集約・解析するソリューション。

 マップ上にて網羅的に表示されたデータを俯瞰(ふかん)することにより、問い合わせの量やデータ同士の位置関係などを把握可能。人が行うことで生じる判断の誤り、見落とし、サンプル抽出のみの確認による抜け漏れを防ぐ。また“お客さまの声“と、“不払い”や“解約”などの注目すべき事象との関係を見ることで、不適切な対応を抽出できるという。

 加えて、マップに表示される“お客さまの声”の項目ごとの数量や位置関係の変化を観測・分析でき、時系列で確認することにより、商品や季節要因、外部環境などの影響による問い合わせ件数の増減など、トラブルや不祥事が発生する予兆をとらえられるとした。

 さらに、こうした“お客さまの声”の分析からは、「店頭スタッフの対応がよかった」「商品説明がわかりやすかった」などのポジティブな反応も抽出可能。問題の改善点だけでなく、成果も発見・把握し、社内各部署にいち早く展開すれば、新たなサービス提供のチャンスや顧客ロイヤルティーの向上も実現できるとのこと。

 なお日本国内の生命保険会社において、上位10社では四半期ごとに1社あたり約1万~4万件もの苦情が顧客から寄せられており、一般社団法人生命保険協会では、37分類の苦情項目を設け、発生する苦情の把握と傾向を明示することで、顧客本位の業務運営の実現に取り組んでいる。こうした生命保険会社でWordSonar for VoiceViewを用いると、寄せられた“お客さまの声”を、この37の項目ごとにマップ上に分類し、どの項目が多いか、また項目同士の位置が近く似た性質を持つため、同時に起こりやすいか等を確認できる。

 例えば「保険料払込関係」と「解約手続」という項目は、人の感覚で分類すると性質が異なると考えがちだが、AIによって「保険料が戻ってこない」「保険料を返さない」といった「返金」に関する苦情という類似性を把握し、近い位置にマッピングされる。また類似性を示す具体的な問い合わせの文言を示せるという。

生命保険協会による37項目の苦情分類に基づいて、“お客さまの声”を可視化
近くにマッピングされた「保険料払込関係」と「解約手続」は苦情の内容が似ている

 このほか、内容のあいまいな文章や誤変換を含む文字列であっても、そのまま解析を行える点も特長。従来のツールで“お客さまの声”を解析する場合、少しでも誤字が含まれている文章は適切に抽出できなかったが、Concept Encoderは言葉や文章を単なる文字列ではなく、その意味や使われ方に基づいて解析するため、類義語などの表記ゆれ、また多少の誤変換や入力ミスを含むテキストであっても、正確な記述によるテキストと同等の解析結果を出せるとのことだ。

 なお、WordSonarシリーズの第1弾であるリスク発見・予測支援システム「WordSonar for AccidentView」に搭載された「Concept Encoder Optimizer」(危険因子の発生確率を下げるための改善・予防策を明示する機能)も実装も予定している。