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FRONTEO、AIを用いた研究者の人脈解析による経済安全保障対策ソリューションを提供

 株式会社FRONTEOは14日、ネットワーク解析に特化したAI「LoocaCross」を搭載した、経済安全保障対策ネットワーク解析システム「Seizu Analysis」の3つめのソリューションとなる、「最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューション」の提供を開始した。

 FRONTEOでは、企業や研究組織からの機微情報の流出は、サイバー攻撃によるものだけでなく、企業買収や意図的なスパイ行為によるものや、研究者のバックグラウンドへの配慮を欠いた共同開発・共同研究があると説明。経済安全保障の観点から、機微技術に関わる研究開発においては、研究者の所属組織等に注目した人脈の分析と、それに基づくリスクの把握が必要であるとしている。

 最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューションは、世界のどこで誰がどのような研究を行っているのか、そしてそれらの研究者同士、または研究者と研究者が所属する組織とのつながりはどうなっているのかを、マップやネットワーク図などの形で一目で俯瞰できる。

最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューション

 指定した分野での論文発表数については、世界のどこで(研究機関)誰が(研究者)どのような研究を行っているか(研究内容)、論文が発表されている国と地域を、論文数の多寡に応じて表示する。研究者同士、研究機関同士のつながりについては、共著関係に基づいて分析を実施する。

 米商務省が、輸出管理法に基づいて、国家安全保障や外交政策上懸念があると指定した取引制限企業のリスト(エンティティリスト)とのつながりについては、研究機関や研究者が、エンティティリストに掲載されている組織と関係性があるかどうかを表示する。また、キーフレーズの抽出として、さまざまな分野の研究内容から、辞書なしで主要フレーズを抽出し、タグクラウド形式で表示する。

 さらに、最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューションでは、さまざまなサイトから収集した論文の情報を、研究者、研究機関などに注目しながら統合・分析し、執筆論文数や論文のテーマ、共著関係などをはじめとするさまざまな切り口で整理して提示できる。

 FRONTEOは、今後もLoocaCrossを搭載したネットワーク解析システムであるSeizu Analysisの機能拡張を通じて、企業が知りたい情報を短期間で見つけ出し、それを元に、経済安全保障にまつわる戦略立案に向けた意思決定を支援していくとしている。