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FRONTEO、建設・製造現場の安全対策を支援するAIシステム「WordSonar for AccidentView」

AIエンジン「Concept Encoder」を利用

 株式会社FRONTEOは17日、従来はライフサイエンス分野で利用されてきた自社開発のAIエンジン「Concept Encoder」を、BI領域で活用するソリューション「WordSonar」を発表した。第1弾として、建設・製造現場の安全対策において、リスク発見や予測を行うAIシステム「WordSonar for AccidentView」を提供開始している。

 WordSonar for AccidentViewは、建設・製造企業の持つ日報や作業報告書、事故報告書などの膨大なテキストデータを、Concept Encoderを使って一元的に集約・解析し、把握・活用しやすい形式で提示するAIシステム。Concept Encoderはテキストの意味をベクトル化して解析するため、こうしたデータの網羅的な解析が可能で、従来のテキストマイニングや画像解析では適切なタイミングでの特定が困難だった作業現場の危険要因を察知し、事故を発生の数日前に予測できるという。

 また、単なるキーワード検索では検出が不可能な類似キーワードをグループ化・可視化し、提示してくれる点も特徴。例えば、建設・製造現場における降雪時の作業の労働災害リスクを調べたい場合、WordSonar for AccidentViewで「雪」と入力すると、「凍結」「氷結」といった関連性の高い語を含む過去の事例もあわせて検出されるので、キーワード検索では見落とす可能性のあった事例を確認できるとした。

WordSonar for AccidentViewで「雪」をキーワードとして検索した際の表示例

 さらに、大量のデータをAIが分析することにより、現場管理者や作業者のリスクアセスメント、日報の確認・集計作業に関する負担を軽減可能。個人の主観や知識の影響を受けない、客観的かつ網羅的なリスク判断が可能になるとしている。加えて、日々の日報に加え、気象データや季節性データを含む最新のデータも取り込みながら解析を行えることから、現場の状況の変化に対応したリスクレベルの評価や、作業者に対する適切な注意喚起、予測精度の継続的な向上を実現するとのこと。