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DNPと三菱電機、産業制御システムのセキュリティ対策を体験型で学べる演習を開発

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)とDNPグループの株式会社サイバーナレッジアカデミー(以下、CKA)、および三菱電機株式会社の3社は3日、産業制御セキュリティの対策スキルを体験型で学べる「サイバーセキュリティ実践訓練コース 産業制御系」を開発したと発表した。

 「サイバーセキュリティ実践訓練コース 産業制御系」は、インフラ施設や工場・ビルなどの産業用制御システムを運用する技術者を対象に、サイバーリスクの基礎知識や必要な対策方法を体験型実践演習(ハンズオン)で習得できる研修。

 日本の工場・インフラの環境に合わせた技術者向けの演習として、さまざまな製造現場に通じた三菱電機の監修のもと、日本語で演習を実施。産業用制御システムでは、それぞれ独自の製造プロセスや保守運用システムに適合したサイバー攻撃対策を施す必要があるが、こうした日本の工場技術者の業務に配慮して、短期間で知識を習得できるという。

演習資料のイメージ

 コースでは、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)の訓練システム「TAME Range」を使い、工場やインフラ施設のネットワークを仮想的に再現した環境で演習を実施。実施時間の半分以上で体験型実践演習を行うことで、サイバー攻撃対策への理解を深めていく。また、各受講者の個別の状況に合わせた対応策について、受講者同士で議論することで、それぞれの工場環境を前提にした実践的なサイバーリスク対策の知識・スキルを習得できるようにする。

 複雑化するサイバー攻撃に対しては、「サイバーキルチェーン」と呼ぶ7つの段階に構造化し、段階ごとに入り口対策や内部監視などの対策を行う多層防御の考え方を、工場内での安全管理業務に適用。必要なサイバーリスク対策を体系的に習得する。サイバー攻撃の中でも特徴的な攻撃手法を体験し、そのサイバーリスクについて理解し、防御手法を学ぶ内容となっている。

 「サイバーセキュリティ実践訓練コース 産業制御系」は、2月24日~25日から、東京・五反田にあるCKAで提供を開始する。価格は1人あたり36万3000円(税込)。DNPとCKAは、インフラ施設や工場・ビルを持つメーカーなどを対象に研修を実施し、セキュリティ関連の製品・サービスなどの提供も含めて、2022年度に20億円の売り上げを目指す。