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DNP、ユニアデックス、TXOneの3社が協業、工場向けセキュリティのトータル支援サービスを提供

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)、ユニアデックス株式会社、TXOne Networks Japan合同会社(以下、TXOne)の3社は28日、工場向けのセキュリティ対策に関する事業の拡大、サービスの開発・提供に向けて協業し、工場向けセキュリティのトータル支援サービスを提供開始すると発表した。

 協業により、工場で求められるセキュリティに関する知見と実績を持つDNP、システムとネットワークに精通したユニアデックス、OTセキュリティ製品メーカーのTXOneの3社の強みを掛け合わせて、日本の製造現場の安全・安心を実現するセキュリティ対策関連のサービスを提供し、導入企業の競争力向上につなげていくとしている。

(左から)ユニアデックス 代表取締役社長 田中建氏、DNP常務執行役員 沼野芳樹氏、TXOne 代表執行役員社長 近藤禎夫氏

 3社は、多くの企業でITネットワークのセキュリティ対策が進む一方で、工場などのOTネットワークは十分なセキュリティ対策が困難な場合が多く、対策が急務となっていると説明。例えば、製造装置の端末でセキュリティソフトのインストールやOSのアップデートを行う際、メーカーの保証が受けられないことや、操作環境の変化によって従来通りに稼働しなくなるという恐れがあるため、導入時と同じ環境のまま端末を使い続けるケースが多くあるという。

 また、OTセキュリティ対策を進めるには、変動要素を事前に抽出・分析するリスクアセスメントの実施、セキュリティ関連の製品・サービスの導入・保守・運用、社員教育などを行う必要があり、その知見の獲得や業務負荷の低減も課題だとしている。

 こうした課題の解決に向けて、3社は各社の強みを掛け合わせ、工場セキュリティに関するコンサルティングや、製品・サービスの提供・保守・運用など、各企業の状況に合わせたトータルな支援を行うと説明。これにより、製造現場におけるゼロトラストの実現や、災害・サイバー攻撃などのインシデント発生時の事業継続に向けた対策につなげていくとしている。

 提供するサービスのうち、コンサルティングでは、リスクアセスメント(セキュリティ課題の洗い出し)、工場セキュリティガイドラインの策定、ネットワーク脆弱性診断などを提供。工場セキュリティ製品・サービスでは、資産の可視化、端末を保護するエンドポイントセキュリティ対策、端末間通信の制御装置、データバックアップ装置などを提供する。

 また、運用プログラムとして、運用監視サービス(MDR)、制御システムインシデント演習教育、社員向けサイバーセキュリティ教育などを提供する。

 3社は、サービスを自動車・食品・飲料・医薬品・半導体・精密機器などの幅広い業界に展開。DNPでは、2025年度に累計50億円の売り上げを目指すとともに、DNPの自社工場への導入も検討していくとしている。