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NTTドコモとNEC、O-RAN仕様準拠5G基地局でSA方式のマルチベンダー接続試験に成功

 株式会社NTTドコモと日本電気株式会社(以下、NEC)は2日、O-RANのオープンインターフェイス仕様に準拠した5G基地局装置の親局(以下、5G CU/DU)を用いて、5GのStand Alone(SA)方式において、異なるベンダーの子局(RU)との相互接続(マルチベンダー接続)試験に成功したと発表した。

 今回のマルチベンダー接続は、NTTドコモの商用ネットワークで運用されている、Non Stand Alone(NSA)方式のNEC製5G CU/DUのハードウェアを、ソフトウェアのアップグレードのみでSA方式に対応させる開発を行うことで実現した。

 この開発により、5G CU/DUのハードウェアはそのままで、4Gコアと5G基地局を組み合わせたNSA方式から、5Gコアと5G基地局を組み合わせたSA方式へシステムの移行が可能となり、既存のNSA方式との混在も可能なため、柔軟かつスピーディに5Gネットワークを高度化できるとしている。

4Gコアと5G基地局を組み合わせたNSA方式から5Gコアと5G基地局を組み合わせたSA方式へ移行

 SA方式では、5Gの特長とされているeMBB(高速大容量)、mMTC(同時多接続)、URLLC(低遅延・高信頼)を生かしたサービスの柔軟な提供が可能となり、法人向けソリューションの充実や高度化を含め、5Gに求められる多様なニーズに対応できる。

 さらに、マルチベンダー接続の実現により、接続可能な5G基地局装置のラインアップが拡大するため、各ベンダーの装置の特長を生かして、ユーザー数やサービス内容に応じた柔軟なエリア設計が可能となり、迅速な5Gサービスエリアの展開を実現できるとしている。

 両社は今後も、今回開発した5G CU/DUの商用ネットワークへの導入に向けて検証を行い、5Gエリアの拡大と安定した通信の提供を目指して、基地局装置の高度化を進めるとしている。