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NECが仮想化基地局を開発、Open RAN対応の5Gネットワークで性能評価を開始

 日本電気株式会社(以下、NEC)は11日、Open RAN(オープン化された無線アクセスネットワーク)対応の5Gネットワークにおいて、柔軟で拡張性が高いネットワーク構築が可能な仮想化基地局(以下、vRAN)を開発し、NTTドコモが中心となって進めている共創活動「Open RANエコシステム(OREC)」の検証環境において、性能評価を開始したと発表した。

 ORECは、Open RANの海外展開を目的に、NECを含む14社による共創活動を行っており、Open RANの導入を検討する通信キャリアの要望に応じて、最適な無線アクセスネットワークをパッケージ化して提供し、導入・運用・保守を行っていくことを目標としている。

 性能評価は、マルチベンダー環境における相互接続試験を行うもので、評価の結果を基に製品化を進め、2022年初頭から北米、欧州およびアジア市場向けに提供することを目指す。また、多様化するニーズに対応するOpen RANの実現に向けて、パートナー企業とともに、技術やノウハウの確立に貢献していくとしている。

 NECのvRANは、O-RAN仕様に準拠したキャリアグレードの品質を実現するクラウドネイティブのソフトウェアで、商用実績のある5G機器をベースに開発されている。5Gの高速大容量の要求を満たすために、ソフトウェアの処理を高速化するハードウェアアクセラレーションを積極的に活用。Massive MIMO(mMIMO)が利用されるシステムにおいて、フルデジタルビームフォーミングの高度な制御を行うことで、セルのシステムスループット(通信速度)を4倍以上に向上し、消費電力の30%以上の削減を実現する。

 さらに、最新世代のマイクロプロセッサを用いた市販のサーバー上で動作し、業界標準の最新仮想化基盤を採用して、コンテナの運用管理と自動化を実現。これらの特徴により、通信事業者のTCO削減に貢献する。

 NECは今後、vRANの製品化を進め、ソフトウェア領域の事業を拡大するとともに、次世代ネットワークに向けたマイグレーションを推進し、5Gを活用した新たなサービスの実現に貢献していくとしている。