ニュース

パーソルキャリア、転職サービス「doda」の基幹業務データベースをハイブリッドクラウド構成に

オラクルのクラウドサービスを採用

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは17日、パーソルキャリア株式会社が、転職サービス「doda」を支える基幹業務データベースを、オラクルのサービス・製品を利用したハイブリッドクラウド環境で構築したと発表した。稼働はすでに開始されている。

 「doda」の基幹データベースは従来、オンプレミスのデータベースマシン「Oracle Exadata」上で本番環境を運用する一方、開発および性能検証環境は、Exadataによるクラウドサービスをオンプレミス環境で実現する「Oracle Exadata Cloud@Customer」上で稼働させてきた。

 そうした中で今回は、オンプレミス環境のシステム更改を受け、将来的な事業拡大に伴う、変化に対応可能な柔軟な基盤の構築と、コスト最適化を目的に、クラウド移行を検討。複数案を比較検討した結果、低コストで既存のデータベース基盤と同等またはそれ以上の性能を実現可能な「Oracle Exadata Cloud Service」を選定したという。

 一方で、ミッションクリティカルな大規模基幹データベースのパブリッククラウド化は初めてとなるため、本番環境をクラウドで運用する体制やノウハウを蓄積しながら、段階的なクラウド化を進めていきたいという意向もあった。

 そこでパーソルキャリアでは、第1フェーズとして、従来は開発環境として利用してきたOracle Exadata Cloud@Customerを本番環境とし、DR(災害対策)環境としてOracle Exadata Cloud Serviceを、開発検証環境としてはOracle Exadata Cloud ServiceとOracle Database Cloudをそれぞれ活用する、ハイブリッドクラウド構成を採用している。こうしたハイブリッドクラウド環境への移行と、ハードウェアの性能向上およびSQLチューニングをあわせて行った結果、20%のリソースを削減しつつ、同等以上の性能を実現した。

 また現場でも、システム移行を感じさせない、それまでの環境と同様の利用感を維持しながら、高い性能によって安定性が向上し、レスポンスタイムや遅延などに関する月次の問い合わせ件数は減少したとのこと。さらにOracle Exadata Cloud@Customerは、システム自体は自社データセンターに配置されるが、運用管理はオラクルがリモートから行うため、運用管理負荷やコストも削減されたとした。

 DR環境もパブリッククラウドへ移行し、平常時は8分の1までリソースを低減させつつし、必要な際は無停止でリソースを増やす仕組みを導入することで、システム全体としてのコストの最適化を行っている。このほか開発環境では、Oracle Databaseの多様な機能が従量課金で利用可能な点を生かし、テスト機能「Real Application Testing」を活用して、開発・検証の効率化を図った。

 なお、今回のシステム導入、構築、データ移行、運用支援はアシストが担当し、Oracle Exadata Cloud Serviceへの本番環境移行に向けた検証も支援している。

 パーソルキャリアでは第2フェーズとして、2022年10月に、Oracle Cloud東京/大阪リージョンのOracle Exadata Cloud Serviceへ本番環境を移行するための検証を進めている。また、OCIで提供されるサービスを活用した保有データの利活用も検討しているとのこと。