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野村総合研究所、投資信託窓販向けソリューション「BESTWAY」をOracle Cloud Infrastructureで稼働開始

 日本オラクル株式会社は5日、株式会社野村総合研究所(以下 NRI)が、同社のデータセンター内に導入した「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」上に、投資信託の窓販業務ソリューション「BESTWAY」を移行し、2021年7月に稼働を開始したと発表した。

 BESTWAYは、銀行での投資信託の販売を総合サポートする共同利用型システムで、大手銀行や信託銀行、地方銀行、第二地方銀行などの銀行、および生損保・投信会社など110社以上に金融SaaSとして採用されている。

 NRIでは、金融、小売、流通などさまざまな業種向けに展開する、ミッションクリティカルかつ大規模なビジネスプラットフォームの運用クラウド環境として、Oracle Dedicated Region Cloud@Customerをデータセンターに導入し、NRI自社統制下での運用を開始した。NRIは第1フェーズとして、BESTWAYを従来の自社プライベートクラウド内専用環境からOracle Dedicated Region Cloud@Customerへの移行を実施し、2021年7月から稼働している。

 Oracle Dedicated Region Cloud@Customerは、「Oracle Exadata Cloud Service」を含む、オラクルのパブリッククラウドサービスの完全なポートフォリオを、顧客のデータセンターで利用可能なマネージドクラウドリージョンとして提供する。

 顧客は、性能やセキュリティ、拡張性に優れ、広帯域かつ低レイテンシーの高速ネットワークを有する「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を顧客センターで利用することができ、OCI上のOracle Exadata Cloud Serviceは「Oracle Exadata Database Machine」と同等の機能を提供し、クラウドサービスとして利用できる。

 BESTWAYは、Oracle Exadata Cloud ServiceなどのOCIに移行することで、従来環境よりも優れた性能、高可用性や暗号化などのセキュリティレベルの維持や、ビジネスや顧客ニーズに合わせたシームレスな拡張などアジリティの向上が実現できると説明。また、NRI自社のデータセンター内でOracle Dedicated Region Cloud@Customerを利用することで、NRIがこれまでSOC2やFISCなどを基準に金融業界向けに整備してきた、高度な統制の下での管理を維持し、アプリケーションレイテンシーに関する厳しい要件も満たすことができるとしている。

 また、BESTWAYでのOracle Dedicated Region Cloud@Customerへの移行に伴い、Oracle Exadata Database MachineからOracle Exadata Cloud Serviceにワークロードの移行が必要となったが、Oracle Database関連のアーキテクチャ変更を行うことなく移行でき、今後の移行プロジェクト期間短縮が可能になったと説明。Oracle Dedicated Region Cloud@Customerには、オラクルが第2世代パブリッククラウドで提供するパブリッククラウドリージョンと同様のサービスが提供されるため、今後の新サービス追加時もリードタイムを大幅に短縮できるとしている。

 さらに、Oracle Dedicated Region Cloud@Customerへの移行により、自社プライベートクラウドの運用、保守などのリソースを、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの戦略領域に投入可能となり、NRIではローコード開発の「Oracle Application Express(APEX)」によるアプリケーション開発手法の研究や、コンテナ技術を活用したアプリケーション基盤によるライフサイクル改善といった新技術の導入を行い、ビジネスニーズの変化に迅速に対応していくとしている。