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IIJ、マイクロデータセンターによるエッジコンピューティング環境の実証実験を開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は4日、同社の白井データセンターキャンパス(以下、白井DCC)の敷地内に、マイクロデータセンター(以下MDC)を屋外設置し、エッジコンピューティング基盤として実用化するための技術検証を行う実証実験を開始したと発表した。実施期間は2021年9月末~2021年11月(予定)。

 今回設置したMDCは、日本で初導入となる豪Zella DC製で、12U~38Uサイズのタイプのうち12Uタイプ(幅68.5cm・奥行き110cm・高さ100cm)の屋外設置モデルとなる。データセンターに必要な機能であるサーバー冷却用空調ユニット、UPS(無停電電源装置)、環境センサー、セキュリティカメラ、物理セキュリティ(遠隔操作可能な電子錠等)を備え、防水・防塵性能と遮音性能により屋内外、場所を選ばず設置できる。

実際の設置写真

 これらの性能により、例えば、IoT機器や生産現場を自動化するFA機器などのエッジデバイスと物理的に近い場所にMDCを設置して、超低遅延が求められるデータ処理や、セキュリティ上の制約がある環境でのエッジコンピューティング基盤として利用できると説明。また、顧客拠点に設置することで、オンプレミスの小規模マシンルームとしての利用も期待できるとしている。

 実証実験では、屋外環境に設置したMDCの設備的な性能、自律運転シナリオの検証や、白井DCC内のデータセンターインフラ管理システム(DCIM)からの遠隔による監視・運用の検証を実施。検証後、IoT、ローカル5Gやクラウドサービス「IIJ GIO」といったIIJサービスと連携したネットワークエッジでデータを処理する、マルチアクセス・エッジコンピューティング(MEC)の実証を行っていく予定。

 IIJでは実証実験を進め、顧客がMDCを活用して自社でエッジコンピューティング環境を短期間で容易に構築、運用できるソリューションを開発し、2021年度中に提供開始する予定としている。

実証実験のイメージ