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IIJ、屋外設置も可能なマイクロデータセンターを活用したエッジデータセンターソリューション「DX edge」を提供開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は24日、マイクロデータセンター(MDC)専業メーカーの豪Zella DCとパートナー契約を締結し、Zella DCのMDC製品に、運用・保守サービスを付加したエッジデータセンターソリューション「DX edge」の提供を開始した。価格は個別見積もり。

 MDCは、サーバー冷却用空調、無停電電源装置(UPS)、物理セキュリティなど、データセンターに必要な機能をコンパクトなボックスに搭載。マシンルームが不要で、短期間でのスモールスタートおよび需要に応じて拡張ができ、複数台をモジュール連結して使用することもできる。

 IIJではこれまで、MDCの実用化に向けて、同社の白井データセンターキャンパスでMDCの設備性能と遠隔からの監視・運用スキームの技術検証を行っており、今回商用化に至った。

IIJ白井データセンターキャンパスに設置されたマイクロデータセンター

 DX edgeは、MDCの導入・設置から運用・保守までを、オールインワンで提供するソリューション。ユーザーは、MDCを用いたエッジコンピューティング環境や、拠点のデジタル/IT基盤を短期間で容易に構築・運用できる。

 IIJでは、MDCはIoT機器や工場のFA機器などのエッジデバイスと物理的に近い場所で、低遅延や大量データ処理を行うエッジコンピューティング基盤として利用できると説明。また、5Gの特性を活かして、超低遅延処理を実現するMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)として、リアルタイム性が求められる遠隔医療、自動運転などの分野での利用も期待できるとしている。

 DX edgeでは、多拠点、複数のMDCを一元的に遠隔から運用・保守が可能。部品故障時はセンドバック保守に対応し、プラグアンドプレイのためオンラインのまま部品交換ができる。また、従来のサーバルームに比べて、部屋全体を冷却する必要がないため、省電力(PUE=1.2程度)かつ10年以上の耐久性を有し、導入・運用コストを低く抑え、TCOを削減できるとしている。

 提供するMDCには、屋内設置型「Zella Pro」と屋外設置型「Zella Hut」があり、サイズは12U、25U、38Uの3モデル。導入支援として、顧客のニーズに合わせたMDCの機種選定から設置作業までを行い、最短約2カ月で導入を完了できる。また、導入後は遠隔からの運用・保守、障害対応や、セキュリティ通知等などを提供し、顧客の要望に応じて、IIJのネットワークやIoT関連サービスを組み合わせたソリューションも提供する。

 IIJでは、既に提供しているコンテナ型データセンター「IZmoシリーズ」に、このMDCを加えることで、データセンター設備のラインアップを拡充し、クラウド環境からエッジ環境まで、多様なニーズに合ったデータセンターサービスやソリューションを提供するとしている。