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富士通、中央省庁のパブリックコメント業務で国産LLM「Takane」を用いた業務効率化の実証実験を実施

 富士通株式会社は3日、中央省庁におけるパブリックコメント業務で大規模言語モデル(LLM)「Takane」を活用し、業務を効率化する実証実験を2025年中に実施したと発表した。各意見の賛否の分類や意見の要約などの作業を自動化して、業務の効率化と品質向上を図る実証実験を特定の中央省庁と協働して行い、職員がその有効性を確認したという。

 従来のパブリックコメント業務では、提出された意見を職員が読み込んで分類や傾向の分析を行い、各意見に対する回答案を作成した上で政府の対応方針を検討しているが、国民の関心が高いテーマでは数千件から数万件の意見が殺到するケースもあるなど、職員の負荷が高く、結果公示までに1カ月以上を要する場合もあったとのこと。

 そこで今回の実証実験では、過去に実施したパブリックコメントのデータを利用し、「Takane」の活用による業務の効率化を検証した。過去に中央省庁に寄せられた、約12万文字にも及ぶ実際のパブリックコメントのデータに対して「Takane」を適用した。この結果、これまで人手で行っていた各意見の賛否の分類、意見の要約を10分程度で終えられ、職員がその出力結果の点検に注力できるようになる可能性が確認された。

 また、意見公募の対象となる法令案と各意見の整合チェックにおいて、法令案に含まれる条項と各意見を「Takane」に入力して参照チェックしたところ、全体の8割を超える意見について、法令案の条項に該当する意見の箇所を正しく回答でき、人手ですべてをひも付けするのに比べて省力化できる可能性を確認したとのこと。

 富士通では、こうした成果について、行政職員の意見の整理に費やす時間が減ることで、その分、意見の中身の検討や政策への反映という、より重要な判断業務に時間を割けるようになることを示唆していると分析。実証実験の成果をもとに、政策立案や法律制定のプロセスに幅広く応用できる生成AIサービスの開発に着手し、2026年度中の提供を目指すとしている。