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デジタル化と持続可能性を推進する日本企業のパートナーを目指す、シュナイダーエレクトリック事業戦略説明会

 シュナイダーエレクトリックは19日、2021年の事業戦略説明会を開催した。シュナイダーエレクトリック日本統括代表の白幡晶彦氏は、同社の2020年の事業にも新型コロナウイルス感染症の影響はあったが、俊敏に対応することで事業を継続でき、業績も回復できたとした。

 また、ダボス会議で発表された「最も持続可能な企業100社(Global 100)」では、シュナイダーエレクトリックがトップの企業に選ばれており、シュナイダーエレクトリックのミッションは持続可能性と効率性を実現するためのデジタルパートナーになることだと語った。

シュナイダーエレクトリック日本統括代表の白幡晶彦氏
「最も持続可能な企業100社」のトップに選ばれる

 現状については、新型コロナウイルスがデジタル化を加速させており、日本においても少子高齢化、国土強靱化、脱炭素化といった状況からも、デジタル化の重要性はかつてなく高まっていると説明。

 こうした日本の課題に対しても、シュナイダーエレクトリックは技術の伝承とリモート監視を可能にするソリューションや、IT設備運用を支えるアプリケーション/サービス、電力分散化と強靱化を支えるソリューションとパートナーシップ、脱炭素化を目指す企業を支援するサービスとプラットフォームを提供でき、サステナビリティとデジタル化を推進する日本企業のパートナーを目指すと語った。

技術の伝承とリモート監視を可能にするソリューション
脱炭素化を目指す企業を支援するサービスとプラットフォーム

 セキュアパワー事業部バイスプレジデントの多田直哉氏は、データセンター関連の事業について説明。データセンターはエネルギー効率化とデジタルトランスフォーメーション(DX)の中枢であり、IoTなどによりデータの生成が驚異的なスピードで増加する中、デジタル化された世界を実現するにはクラウドサービスだけですべてをカバーできるものではなく、中堅規模のデータセンターやエッジコンピューティングを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーが必要になっているとした。

 一方で、すべての規模のデータセンターとって、持続可能性と二酸化炭素の排出抑制が求められており、シュナイダーエレクトリックでは幅広い製品や統合ソリューション、統合ソフトウェアとデジタルサービスといった、課題解決への実現手段を提供すると説明。データセンターが企業の拠点管理を統合し、ビジネスの効率化を向上するには統合管理、運用が必要になり、シュナイダーエレクトリックでは、「EcoStruxure IT」を核にした、統合ソリューションを提供することで、必要不可欠なITインフラの監視と管理に革新をもたらすとした。

セキュアパワー事業部バイスプレジデントの多田直哉氏
デジタル化された世界の実現に必要となるハイブリッドアーキテクチャー

 「EcoStruxure IT Expert」は、ローカルエッジ、分散したITシステム、データセンターに導入された装置を監視・管理する仕組みを提供するソリューションで、たとえばUPSの設置場所を一覧化し、遠隔地からもさまざまなデバイスで一元管理が可能になる。また、データレイクに蓄積されたビッグデータの分析により、UPSに関するアドバイスやバッテリー交換の予測情報を提供する。

EcoStruxure IT Expert
UPSなどの機器の一元管理を可能にする

 「EcoStruxure IT Advisor」は、利益率を改善し、効率化と可用性を向上させるため、データセンターのインフラに対する考察を提供するソリューション。サーバールームに機器を増設する場合などに、ラックの空き状況や電源使用量をもとに、フロアマップ上で最適な設置場所をアドバイスすることや、設備の増設・集約化による影響をシミュレーションで事前に確認できる。

EcoStruxure IT Advisor
機器増設などの影響をシミュレーションで事前確認できる

 「EcoStruxure IT Asset Advisor」は、IoTとクラウドベースの技術を用いて、シュナイダーエレクトリックのエキスパートによるサービスを提供する。顧客の契約デバイスをシュナイダーエレクトリックが24時間365日遠隔で監視し、障害を検知した際には電話で顧客に連絡。また、アラート内容はスマートフォンからも常時確認が可能で、即時のエンジニア派遣や修理にも対応する。

 こうしたEcoStruxure ITのソリューションにより、迅速にすべてのインフラをデジタル化でき、高い運用効率と持続可能性、可用性の最大化といった価値をデータセンターに提供していくとした。

EcoStruxure IT Asset Advisor
アラート内容はスマートフォンから常時確認できる