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ピュア・ストレージのソフトウェアスイート新版「Purity//FA 6.0」、ストレージのDRとユニファイド対応を支援

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(以下、ピュア・ストレージ)は11日、オンラインで開催された同社の年次イベント「Pure//Accelerate」において、FlashArrayおよびFlashBladeシリーズの管理ソフトウェアの最新版「Purity//FA 6.0」を発表した。

 この発表に先立ち、米Pure Storage 戦略部門副社長であるマット・キックスモーラー氏および、ピュア・ストレージ・ジャパン 代表取締役社長の田中良幸氏によるメディア向けの発表会も開催されている。

 エッジ、コア、クラウドにまたがってストレージを統合的に管理するPurityは、一貫してデータの格納・保護・管理・アクセス・移動を実現するソフトウェアだ。キックスモーラー氏はPurity//FA 6.0について、「今年の初めにはハードウェア製品であるFlashArrayの第7世代をリリースしたが、ソフトウェアのリリースはハードウェア以上にワクワクする。Purity//FA 6.0は、これまでで最大のソフトウェアリリースだ」と述べた。

米Pure Storage 戦略部門副社長(Vice President, Strategy) マット・キックスモーラー氏
Purity//FA 6.0の概要
Purity//FA 6.0の新機能

ディザスタリカバリやブロック/ファイルのユニファイド対応を支援

 Purity//FA 6.0にはさまざまな新機能が追加されているが、その中でも「ActiveDR」と「//FA Files」の2つは注目すべき新機能であるという。キックスモーラー氏は、ピュア・ストレージのこれまでを振り返り、「最初の10年はストレージアレイの改革に集中していた。それまでストレージアレイといえば、複雑で効率の悪いものだったが、今では小型で非常に速いものとなった」と説明。

 さらに同社の次のステップとして「ストレージ・アズ・ア・サービス(Storage as-a-Service)を提供する『モダン・データ・エクスペリエンス』に注力していく」と述べ、ActiveDRと//FA Filesが、モダン・データ・エクスペリエンス構想を実現する重要な機能であるとした。

モダン・データ・エクスペリエンス構想

 このうち、ActiveDRの「DR」とは「Disaster Recovery」、つまり災害対策を意味しており、継続的レプリケーション技術をベースに、拠点間のレプリケーションをPurityのプラットフォーム上で実現する。

 ActiveDRでは、物理的に遠隔にある拠点間でもゼロに近いRPO(復旧時点目標)を実現するという。既存のActiveClusterに加えて利用できる機能であり、オンプレミスでもクラウドでも一貫してデータを保護することができる。また、ActiveDRはPurityの標準機能で、追加費用(アドオンコスト)を必要としない。

ActiveDR

 2つ目の//FA Filesは、ブロック/ファイルのユニファイド対応機能だ。昨年4月に買収したスウェーデンCompuverdeの技術をベースに開発されており、互換性のない複数の環境においても、SMBやNFSなどマルチプロトコルアクセスに対応し、重複排除/圧縮、ディレクトリのスナップショット、ディレクトリレベルのメトリクス、保持ポリシー、ブロックとファイルでストレージプールの共有などを可能とする。

//FA Files

 さらにキックスモーラー氏はPure Storageのグローバルにおける業績について、「新型コロナウイルス感染症の流行により、ストレージ市場の成長率は8%減少という厳しい状況にあるが、そんな中でもピュア・ストレージは7.7%のプラス成長を実現した」と説明する。

 日本のストレージ市場においても成長率は4.3%減という厳しい状況にあるが、田中氏は「2021年度第一四半期(2020年2月~4月)において、3億6710万USドルの売上高を達成し、前年同期比12%増という堅実な伸びを実現した」と好調な業績を紹介した。

ピュア・ストレージ 代表取締役社長 田中良幸氏

 好調な業績の背景として田中氏は、「強固でレジリエンス性(回復性)の高いサプライチェーンの構築および、サポートの充実」を挙げ、「以前よりデリバリーに定評のあるピュア・ストレージは、困難な状況にあってもこれまでと変わらない"短納期"を実現している。テクニカルサポートやセールスのサポートについても、強固なまま提供が可能になっている」と述べる。

 また、柔軟なマルチクラウドモデルを含めたサブスクリプションサービスの採用も増加しており、売上高は1億2020万USドル、前年同期比37%増と好調。売上高全体の1/3を占めるまでに成長しているという。

 この困難な状況においてピュア・ストレージでは、自社の従業員の健康と安全に配慮した新しい働き方に順応しつつも、顧客やパートナーに期待される高い水準のサービスを提供しているとのこと。

 さらに、変化するリソースの需要と新しい仕事環境をナビゲートするため、Pure as-a-Serviceを新規に12カ月以上契約する顧客に対して最初の3カ月(24カ月であれば6カ月)を無償で提供したり、シスコと連携して、事前設定したVDIソリューションバンドルをデスクトップ1000台から提供したりするなど、一連の支援プログラムを発表している。

困難な状況で企業を支援