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HPE、HPC・AIに最適化した高密度サーバー「HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System」
エンタープライズ向けAIのプラットフォームに
2021年1月28日 11:08
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、HPE)は27日、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)およびAIのワークロード向けに設計された高性能サーバーの最新モデル「HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System」を販売開始すると発表した。
同日には、HPEのAIビジネス推進への取り組み、および新製品の機能概要についてオンライン発表会が行われた。
「HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System」は、密度と俊敏性に注力して設計され、幅広いHPCとAIアプリケーションに対応した次世代のサーバー製品ラインアップ。最も要求の厳しいHPCやAIのワークロードを最適化するために、より高速で信頼性の高い処理能力を備え、スケーラブルな性能を提供する。
HPE 取締役 執行役員 HPC&AI/MCS事業統括の根岸史季氏は、新製品の発表にあたり、「当社では、エクサスケール時代やデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を見据え、HPCとAI、MCS(ミッションクリティカルシステム)、エッジコンピュートをHPC&AI/MCS事業統括に集約し、総合的なプラットフォームを展開している。とくに、AIについては広範囲なポートフォリオを持っており、コンピュート、ストレージ、ネットワークだけでなくソフトウェアも含めて、顧客に最適なソリューションを提供している。また、AIに特化したタスクチームとして全社横断AIビジネス推進チームを設立し、全社的にAIビジネスを進めている」と、AIビジネスの取り組みについて説明した。
全社横断AIビジネス推進チーム「HPE Japan AI Cross-BU」のリーダーを務める同社 HPC&AI/MCS事業統括 AIビジネスデベロップメントマネージャーの山口涼美氏は、「『HPE Japan AI Cross-BU』は、製品、サービス、セールス、マーケティングの各事業部のメンバーで構成され、全社的なAs-a-Serviceビジネス変革を促進している。HPEの持つ広範なAI製品とサービスを活用し、顧客が迅速にAIソリューションを設計して展開できるよう、エッジからクラウドまでのデータパイプライン最適化を支援している。また、『HPE AI検証センター』を設置し、最新サーバー『HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System』やエッジラインシステム『HPE Edgeline Converged Edge System』、AI統合開発基盤『HPE Ezmeral Container Platform』などを揃えた検証環境を用意している」と述べた。
今回の新製品「HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System」について、同社 HPC&AI/MCS事業統括 カテゴリーマネージャーの高橋健氏は、「現在、AIの活用領域は、金融や政府、エネルギー、小売り、ヘルスケア、コンシューマテック、サービスプロバイダ、製造などユースケースが広がりつつある。その中で、今回の『HPE Apollo 6500 Gen10 Plus System』は、エンタープライズ向け高性能AIプラットフォームとして位置づけられる製品となる。最高性能のCPUとGPUにより究極の性能を引き出すとともに、モジュラー型システムを採用し、幅広いワークロードに対応する高い柔軟性を実現している。さらに、TCOに貢献するセキュリティ、可用性、シンプルさを備えている」とした。
具体的には、最新のNVIDIA A100 Tensor Core GPUと第2代AMD EPYCプロセッサを搭載。優れた処理能力を活用して、レガシーインフラの負担を軽減し、データ駆動型のイノベーションを実現する。第3世代のTensor Coresを搭載したNVIDIA A100は、何千ものGPUに効率的にスケールアップすることが可能。また、NVIDIA Multi-Instance GPU(MIG)技術により、7つの独立したGPUインスタンスに分割して、多様なワークロードを高速化することもできる。
HPCやAIのワークロード要件に関係なく、サーバーあたり最大16個のGPUでGPU利用率を最大化し、インテリジェントなデータの迅速な取り込み、分析、運用を実現する。NVIDIA NVLinkでは、GPU間のシームレスな接続を確立し、単一の堅牢なアクセラレータとしてGPUを連携させることができる。また、NVLinkインターコネクトは、GPUからGPUへのメモリ間のデータ移行を可能にする専用通信を提供する。1台のA100で最大12個のNVLink接続をサポートし、合計で毎秒600ギガバイトの帯域幅を実現する。
第2世代AMD EPYCプロセッサは、膨大な帯域幅と高いコア数を提供し、データを大量に消費するGPUへの継続的な供給を可能にする。NIVIDIA Mellanox HDR InfiniBandと統合されたこれらの高周波プロセッサは、2つのGPUごとに最大200ギガビット/秒の帯域幅を追加するため、クラスタレベルで運用している企業でも2倍の速度で通信することが可能だ。
柔軟なモジュラー型システムを採用しており、HPE初の4GPU構成に最適化されたサーバー「HPE ProLiant XL645d Gen10 Plus」では、HPC向けにこれまで以上のコストあたりの性能を実現。また、2P AMDプロセッサ搭載の新しいデザインの8GPUサーバー「HPE ProLiant XL675d Gen10 Plus」では、HPEがこれまでサポートしてきた2倍以上に相当する最大16個のPCIe GPUを利用できるとのこと。
さらに、HPE Apollo 6500 Gen10 Plus Systemのシャーシでは、最大16台のフロントアクセス可能なストレージデバイス、SAS/SATAソリッドステートドライブ、最大6台のNVMeドライブを搭載し、消費電力を抑えながらデータに高速にアクセスできるなど、幅広いストレージオプションを提供する。
税別価格は最小構成で502万5000円。なお、HPE GreenLakeを採用することで、従量課金制で新製品を導入したいというニーズにも対応するとしている。