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日本HPのx86サーバー「ProLiant Gen9」、エントリー版などラインアップ拡充

統合管理ソフト「HP OneView」の無償版なども

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は25日、x86サーバー「HP ProLiant サーバー Generation 9」(以下、ProLiant Gen9)のポートフォリオを拡充すると発表した。コスト重視のワークロード向けエントリー製品「HP ProLiant 10シリーズ」のラック型サーバー2機種を含め、計6機種を新たに提供する。またあわせて、同社のサーバーと、HP StoreServe 3PARストレージを含むプラットフォームを単一のコンソールから管理できる統合管理ソフト「HP OneView」についても、最新版を提供するとのこと。

 今回、新たにHP ProLiant製品群に追加されるProLiant 10シリーズの「HP ProLiant DL60 Gen9」「同 DL80 Gen9」は、クラウド、ソーシャルサービスにおけるITインフラのワークロード分野に対し、初期投資を抑えたサーバーの導入を可能にするエントリークラスの製品。上位の「HP ProLiant 300シリーズ」同様、冗長性や“自働サーバー”機能による管理性など、システムインフラとして必要な機能と拡張性を兼ね備えつつ、価格を最小構成で49%低減したという。

 いずれも、CPUはXeon E5-2600 v3シリーズを2基搭載可能な2ソケットサーバーで、ProLiant DL60 Gen9が1Uラック型、同DL80 Gen9が2Uラック型となる。メモリは、8個のメモリスロットに最大256GBのDD4メモリを搭載でき、標準搭載のネットワークアダプタを柔軟に構成またはアップグレード可能な「FlexibleLOM」に対応。ストレージは12Gbps SASを利用可能で、処理性能の向上を実現している。

 価格はProLiant DL60 Gen9が21万7000円(税別)から、同 DL80 Gen9が28万2000円(税別)から。

HP ProLiant DL60 Gen9
HP ProLiant DL80 Gen9

 これらに加えて今回は、1ソケットのラック型サーバー「HP ProLiant DL120 Gen9」と、タワー型「HP ProLiant ML150 Gen9」、さらに超低消費電力のスーパーコンピュータ「HP Apollo 8000 System」向けの「HP ProLiant XL740f Gen9」および「HP ProLiant XL750f Gen9」が発表された。

 ProLiant DL120 Gen9は、日本HPとして初めてXeon E5シリーズをCPUに採用した1ソケットサーバー。NonSQLのデータベースサーバーや中位の仮想化環境ワークロード向けに最適化されているという。こちらも、メモリは最大256GBのDDR4メモリを搭載でき、FlexibleLOMや12Gbps SASにも対応する。価格は、25万7000円(税別)から。

 HP ProLiant ML150 Gen9は、コストパフォーマンスに優れた2ソケットタワー型サーバーで、高負荷ワークロードに最適化され、拠点向けのビジネスサーバーとして利用できるとのこと。また駆動音は25dBAと、オフィス環境に適した静音設計を実現した。CPUはXeon E5-2600 v3シリーズを2基、メモリは16のメモリスロットに最大256GBのDDR4を搭載できる。またタワー型ならではの拡張性を備えており、ディスクは16台の2.5型、あるいは8台の3.5型を内蔵可能とした。価格は26万円(税別)から。

 HP Apollo 8000 System用のProLiant XL740f Gen9と同XL750f Gen9も、Xeon E5-2600 v3シリーズを2基と、最大256GBのDDR4メモリを搭載可能。前者はXeon Phi 7120Dコプロセッサを2基、NVIDIA Tesla K40 XL GPUを2基搭載する点が主な違いとなる。

 一方、HP OneViewの新バージョン「同 1.20」では、監視、資産管理などの一部の機能のみに限定したエディション「HP OneView Standard」の無償提供を開始。基本的なサーバー管理に特化して利用したい、といったニーズを持つユーザーもHP OneViewが利用可能になる。

 また、最新世代のProLiant Gen9をサポートするほか、旧世代であるProLiant Gen6やGen7の監視も可能になったため、既存ユーザーも運用管理ツールをHP OneViewに一本化し、さらなる運用の効率化が図れるとのこと。

石井 一志