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NEC、横浜市消防局と協力し119番通報の緊急度判定入力支援システムのプロトタイプを開発

2026年度中の実用化を目指す

 日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、生成AIを活用し、119番通報の会話から傷病者の緊急度判定を支援するシステムのプロトタイプを開発したと発表した。横浜市消防局の協力のもとで同システムを検証し、有効性を確認したという。

 横浜市消防局では2008年から、119番通報の受付業務において、通話内容から傷病者の緊急度を判定し、救急車の出動指令や応急手当の指導、救急隊員や搬送病院の必要性の判断などに役立てる「横浜型救急システム(緊急度・重症度識別プロトコル)」を運用している。

 このプロトコルに基づいた緊急度判定を行うことにより、119番通報の受付時点で傷病者の正確な症状を把握できるメリットがある。しかし、指令管制員(以下、指令員)は、通報を受けた際に、同プロトコルに従って傷病者の状態や既往歴などを聞き取り、画面に表示された90以上の項目から選択して緊急度を判定する必要があるという。

 また同時に、災害住所の確定、緊急車両の出動を判断する災害種別の確定、現場隊員への申し送り事項の入力なども行っているため、通報が集中した際は指令員の負荷が高まり、滞留呼の要因にもなり得る点が重要な課題になっているとのこと。

 そこでNECは、横浜市消防局の協力のもと、119番通報の会話音声(非構造化データ)から、緊急度判定に必要な傷病者の状態・症状の情報(構造化データ)を抽出する生成AIと、これを基に緊急度を算出する項目の選択を自動化する緊急度判定支援システムのプロトタイプを開発した。

 このシステムでは、119番通報を受電すると、指令員が通報者から傷病者の状況を聞き取ると同時に、通話音声を消防指令システムに送って音声認識処理を実行し、音声をテキストに変換。生成AIなどを活用した独自の構造化処理によって、傷病者の状態・症状のデータを抽出し、そのデータを基に緊急度・重症度識別画面上で対応する項目を自動で選択して、プロトコルに基づく判定結果を表示している。

 NECは今後、横浜市消防局とともに、このシステムの開発とフィールド実証を進めて正答率を向上させ、2026年度中の実用化と同局への導入を目指すとのこと。

 また総務省では、全国の消防でも緊急度判定を活用できるように、119番通報受付用のプロトコルを公開しており、NECは、このプロトコルを導入する全国の消防に対しても、AIによる入力支援システムの開発を進め、2026年度中の提供を目指す考えである。