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日立、設備マニュアルから自動構築した診断モデルによる故障診断AI技術を開発
2026年3月12日 16:36
株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、装置メーカーのメンテナンス担当者や、装置を導入した工場の設備保全担当者が設備トラブルに迅速に対応できるよう、設備マニュアルをAIで解析して故障原因の候補を提示する故障診断AI技術を開発したと発表した。
従来、現場に蓄積された故障対応の履歴情報をもとに、機械学習を用いて故障原因の候補を示す仕組みはあった。しかし、導入には設備機種ごとにマニュアルを読み込み、故障原因と症状の関係を人手で整理する必要があるため、多くの工数を要していた。また、運用面でも担当者の経験に依存しやすく、判断や対応にばらつきが生じやすいことが課題だった。
開発した技術は、マニュアルの故障対処手順に書かれたフローチャートや表を自動で読み取り、AIで解析し、故障原因と症状、確認手順の関係を抽出する。抽出結果は、機械学習モデルの一種であるベイジアンネットワークとして構築される。
設備に発生している症状の情報をベイジアンネットワークに入力することで、故障原因の候補を確率の高い順に提示する。装置メーカーのメンテナンス担当者や工場の設備保全担当者が、限られた時間で確認すべきポイントを絞り込みやすくなる。
さらに、現場からのフィードバックとして、故障原因の確認結果や復旧のレポートを取り込むことで、ベイジアンネットワークの確率を継続的に更新する。設備の経年劣化などに伴う故障傾向の変化を反映した診断が行える。これにより、故障原因の候補を確率の高い順に提示でき、経験の浅い担当者でも優先度を判断しやすく、迅速な復旧に寄与する。
原因切り分けに要する探索作業の削減を通じて、非稼働時間の低減や保全工数を抑制し、持続可能なものづくりの基盤強化に貢献する。
日立は、今回開発した技術を起点に、装置ごとの保全ノウハウとAIを融合した保全の高度化を進め、IT×OT×プロダクトによる現場力強化を通じて、持続可能な産業基盤の実現に貢献していくとしている。
