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ピュア・ストレージ、フラッシュストレージ「FlashArray//Xシリーズ」の第3世代コントローラを発表

オンライン記者説明会レポート

 ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社(ピュア・ストレージ)は24日、主力製品であるフラッシュストレージ「FlashArray//Xシリーズ」において、第3世代(R3)のコントローラ製品を発表した。米Pure Storageが2月に発表した内容の、日本での発表となる。

 以降、出荷されるFlashArray//Xシリーズに搭載するほか、同社のEvergreenアップグレードプログラムに従い、既存製品のコントローラ交換でも提供する。

 新コントローラの「R3」では、CPUにIntel Xeon Scalable Processorsを採用し、前世代と比較して性能が最大25%向上した。

 また、これまでFlashArray//Xにおいては、//X50・//X70・//X90の上位モデルではフラッシュストレージとしてNVMeを採用していたが、エントリーモデルの//X10・//X20ではSCSI接続のSSDを搭載していた。

 今回のR3世代からは、FlashArray//X10・//X20もNVMeを搭載して販売する。

FlashArray//X3の特徴

EvergreenサブスクリプションでFlashArray//Mからも無停止アップグレード

 同日、ピュア・ストレージがオンラインで記者説明会が開催。プリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏が、第3世代コントローラおよび自社ストレージの特徴について解説した。

ピュア・ストレージ・ジャパン株式会社のプリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏(オンライン記者説明会より)

 岩本氏はピュア・ストレージの特徴として、創業当初からEvergreenサブスクリプションにより、追加費用とダウンタイムなしに、コントローラやフラッシュモジュールをアップグレードできることを強調した。SCSI接続世代であるFlashArray//M R2から//X R3へのアップグレードにより、最大50%、性能が向上するという。

 FlashArrayでは、長期利用可能な3Uシャーシをベースに、コントローラもフラッシュモジュールも無停止でアップグレード可能になっている。フラッシュモジュールも、同じシャーシでSCSIとNVMeとSCM(Storage Class Memory:不揮発性メモリ。Intel Optane)に対応する。さらに、SCMを空きスロットに入れるだけで、自動的にキャッシュとして利用される。

 Evergreenの事例として、ソニーネットワークコミュニケーションズの例も紹介された。顧客向けサービス提供のストレージで、リプレースのかわりに最新コントローラに更新し、その費用でフラッシュアレイを増設したという。

 また、NVMeにおけるFlashArray//Xの特徴として、ストレージOS(Purity OS)がNANDを直接制御するため、例えばオーバープロビジョニング領域もSSDレイヤでなくストレージOSレイヤで管理し、容量効率がより高くなると岩本氏は説明した。

Evergreenサブスクリプションによるアップグレード
Evergreenの事例:ソニーネットワークコミュニケーションズ
オーバープロビジョニング領域もストレージOSが管理

 岩本氏は、1時間1500トランザクションを実行中のFlashArray//M R2で、//X R2のコントローラとNVMeフラッシュモジュールに無停止で交換するところをデモする様子も動画で紹介した。

 2つに冗長化されたコントローラの片方を止めて外し、新しいコントローラを入れ、設定を反映するコマンドを1つ打つことで交換が完了。もう片方も同様に無停止で交換してみせた。

 また、フラッシュモジュールも、空きスロットに新しいNVMeモジュールを入れるだけで混在して動作。古いSCSIモジュールからデータを移して、古いモジュールを下取りとして返却できると紹介した。

フラッシュモジュールを交換
一瞬だけWAITが入るがすぐに復帰する
空きスロットにNVMeモジュールを入れる
新しいNVMeモジュールにデータをコピー(エバキュエーション)

 岩本氏はそのほかピュア・ストレージの特徴として、ストレージ管理のPure1も紹介した。「他社製品でできるのは予測までだが、Pure1では予測だけでなくプランニング(計画)まで対応する」と岩本氏。Pure1上で、性能と容量の将来予測とともに、構成を変更した場合のシミュレーションをするところを見せた。「SEのサイジングより、正直いって、正確です」(岩本氏)。

Pure1で容量の予測
Pure1で容量のプランニング