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JBS、現場主導のAI開発を支援する「JBS AI Agent Factory」を発表
2026年3月13日 14:00
日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、JBS)は12日、AIエージェント活用の本格化に向けて、企業の従業員自らがAIエージェントを「作り、育て、使い続けられる」組織文化を実現する「JBS AI Agent Factory」を開発し、3月から順次サービスをリリースすると発表した。
JBS AI Agent Factoryは、JBSの社内実践を基に、AIアンバサダーの活動を中心に現場主導でユースケースが継続的に創出される仕組みを体系化し、構想を支える基盤として、マイクロソフトが提供するエージェントプラットフォームを全面採用した。これにより、マイクロソフトが提唱する、AIと人が協働する新しい組織像「フロンティア企業」へと変革するためのソリューション群を提供する。
JBSは、AI技術の進化を早期に掴み、ビジネスでの価値を創出するため、Microsoft 365 Copilotを全社導入し、日常業務におけるAI利活用を推進し、社内実践を通じて多くの事例を蓄積してきた。その一方で、非エンジニア職が中心となる組織においては、「業務に取り入れたくても思うような成果が出ないから、自分で手を動かした方が早い」「AIを使いたいが、エージェントの作り方がわからない」といったAI活用の壁が浮き彫りになってきたという。
JBSでは、AIとの協働を実現するには、人間がやるべきタスクとAIに任せるべきタスクを整理する必要があり、深い業務理解がなければ適切な指示が出せないと指摘している。こうした課題に対し、JBSでは現場主導でAIエージェントの開発と活用を進める「AIアンバサダー制度」の取り組みを開始し、この実践で獲得したAIアンバサダーの仕組みを中核にして、「JBS AI Agent Factory」の構想を作り上げた。
サービスではまず、セキュリティ、ガバナンス、マネジメントを前提としたAIエージェントの統合管理基盤を整備し、AIに安心して業務を任せられる環境を整える。その上で、アンバサダーがAIの「開発」「教育」「運用」の中心人物となり、組織のAI活用を進化させていくことで、顧客自身がAIを「作り、育て、使い続けられる」文化の定着を目指す。
JBSの社内で明らかになったAI課題は、「作れない」と「広がらない」の二つに集約されるという。現場には業務知識はあってもAIエージェント開発の知見がなく、その先に進めない。エンジニア主導では実態に合わない“使えないエージェント”が生まれてしまうというジレンマがあった。こうした二つの課題に対し、JBSは「エージェントテンプレート」と「AIアンバサダー制度」の両輪で解決を図る。
まず、「作れない」に対しては、職種や業務を問わず発生するAI活用シーンの代表パターンを土台に、現場がすぐに着手できるエージェントテンプレートを提供する。アンバサダーには、開発に不慣れな非エンジニア職も含まれる前提で制度設計を行っており、テンプレートを起点にすることで、現場の業務理解を反映しながら“実務で使える形”へ素早く落とし込める状態を作る。
そして、「広がらない」に対応するのが「AIアンバサダー制度」で、AIアンバサダーには、業務を小さなタスクに分解し、どこをAIに任せ、どこを人が担うのかという“役割分担”を描ける、業務理解があることが期待されると説明している。アンバサダーは、AI活用と業務をつなぐ橋渡し役として、業務を正しく分解し、エージェント化すべきポイントを見極める、テンプレートを活用し、現場の実態に合ったエージェントを開発する、現場定着や横展開を主導し、活用を継続的に支援する、といった役割を担うとしている。
さらに、マイクロソフトが提供するエージェントプラットフォームを活用することで、非エンジニア職であってもローコードでエージェント開発に着手でき、業務の難易度や目的に応じて、ローコード/プロコード双方の開発手法を使い分けることで、現場主導による段階的かつ柔軟なエージェント開発を可能にする。
現在、JBSでは、136人のアンバサダーが活動しており、現場の担当者が自ら“作る側”に踏み出すことで、実務で使える本物のAIエージェントが生まれ、AI開発内製化を進めているという。
代表事例の一つとしては、「JBS Tech Blog」の文章レビューを挙げている。これまでJBS Tech Blogの記事は、一人の担当者がレビューを行っていたが、その担当者に業務負荷が集中し、レビュー待ちによる記事の滞留や属人化が課題となっていた。そこで、この業務プロセスにAIを組み込み、エージェントによる事前レビューと、担当者による最終レビューを組み合わせた 二段階の運用へと移行した。
エージェントが一次工程として日本語表現の校正、表記揺れや誤りのチェック、ナレッジベースとの整合性確認を実行し、その結果を踏まえて担当者が最終確認・調整を行うことで、レビュー品質を担保しながら、効率的な運用が可能になった。AIとの役割分担により、一記事あたりのレビュー工数は約20%削減され、担当者のレビュー待ちで滞留していた未公開記事数も昨年同月比で約70%減少。繁忙期においてもレビュー工程の安定化を図りながら、記事公開までのリードタイム短縮を実現したという。
