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ServiceNow、IoTデータとデジタルワークフローを統合する「Connected Operations」
散在するIoT資産の情報を一元的に可視化・運用管理が可能に
2020年12月18日 11:27
デジタルワークフローソリューションを提供するServiceNow Japan合同会社は17日、ServiceNowのデジタルワークフローとIoTデータを統合する新製品「ServiceNow Connected Operations」(以下、Connected Operations)を、国内で本格的に提供開始したと発表した。
同日には、新製品を本格提供する背景や機能概要についてオンラインで説明会が行われた。
IoT資産の健全性や稼働状況をリアルタイムに閲覧可能
「Connected Operations」は、IoTデータをNow Platformのデジタルワークフローに直接取り入れることで、複数の場所に散在するIoT資産の健全性や稼働状況のほぼリアルタイムな情報を、単一のプラットフォーム上で閲覧できるようにするソリューション。企業は、そこから価値あるインサイトを入手することで、新しい「プロダクト・アズ・ア・サービス・モデル」へとビジネスモデルを進化させながら、顧客満足度を向上させるサービスを実現し、ビジネスの成功につなげることができるという。
ServiceNow Japan ソリューションセールス統括本部 カスタマーサービスマネジメント事業部 事業部長の李広泰氏は、「IoTの導入・活用は、デジタルトランスフォーメーション実現への重要なカギを握っていると見られており、企業からの注目度も集まっている。一方で、実際にIoTの取り組みを進めるにあたっては、さまざまな課題が出てきている。例えば、IoTデバイスのデータは多種多様でフォーマットも統一されていないため、データ収集や加工に多大な作業負荷がかかるという点。また、収集したIoTデータをビジネスにどうひもづけていくのかという運用面の問題。そして、IoTを次の新しいビジネスにつなげていくための取り組みも不十分となっている」と、IoT活用の課題を指摘する。
「こうしたIoT活用の課題を解決するソリューションとして、今回『Connected Operations』を日本市場で本格展開する。『Connected Operations』では、取り込んだIoTデータをデジタルワークフローと結びつけることで、IoTデバイスのモニタリングをリモートで行い、運用を包括的に可視化できる。また、ルールエンジンやビジネスコンテキストを活用して、問題発生の早期発見につなげることが可能となる。問題解決についても、チーム間で連携し、優先順位の高いものから迅速に対応できるようになる」(李氏)と、「Connected Operations」を提供する狙いについて説明した。
「Connected Operations」の主な機能としては、IoTデバイスとNow Platformを連携する「IoT Bridge」、コードを使わずにIoTルールを迅速に構築する「IoT Rule Engine」、IoTデータに素早く対応する「Operations Incident」、チーム間のコラボレーションを実現する「Connected Workflows」の4つを紹介した。
「IoT Bridge」では、散在するIoTに接続した資産から、稼働状況などのデータをNow Platformに取り込み、インフラを監視することが可能。MQTTやHTTPなどの標準的なIoTプロトコルを介してIoTデバイスを認証し、通信する。重要なIoTインフラストラクチャに迅速かつ簡単に統合できるため、将来的にさらにサポートするデバイスを増やすなど、IoT投資に合わせて監視するデバイス範囲を柔軟に拡張できるという。
「IoT Rule Engine」では、問題が発生した際に、直ちに担当者へ通知されるルールを作成する機能を提供する。コーディングは不要で、シンプルで視覚的なインターフェイスを通じて、簡単にルール作成が可能。これらのルールは、ServiceNow Configuration Management Database(CMDB)の豊富なビジネスコンテキストを用いて通知される。なお、IoTデータをIoT Bridge内に統合すると、その後は、ほぼリアルタイムで潜在的な問題が存在しないか、データを評価できるようになるとのこと。
「Operations Incident」では、IoT Rule Engineによって問題が検出されると、IoTイベントが作成され、それらのイベントをまとめて管理可能になる。これにより、ノイズを削減し、誤検出を減らせるという。また、デジタルワークフローを活用して支援することで、チーム間で協力し、影響を受けた資産に対して優先順位をつけ、それに従ってインシデントを解決するための行動指針を策定できるとした。
「Connected Workflows」では、顧客サービスとフィールドサービスを迅速に統合し、対応を管理しながら、1つの直感的なワークスペースでチーム間の調整が可能となる。具体的には、Connected Operations Workspaceを通じて、Customer Service Managementでプロアクティブなケースを作成し、影響を受ける可能性がある顧客への通知を行える。また、Field Service Managementで作業指令を作成して、IoTデータを閲覧できるフィールド技術者を派遣し、修理することもできるという。
最後に、「Connected Operations」の導入メリットについて李氏は、「IoTデータをエンドツーエンドで管理・運用できる『Connected Operations』を導入することで、これまでのIoT活用の顧客体験を変革できると考えている。顧客は、IoTデータを日々の運用の中でモニタリングできるようになり、そこからインサイトを可視化し、次の行動を促すことができる。また、こうした取り組みを通じて、企業の安全性向上とブランド保護、さらには新しいビジネスモデルの創出にもつなげることができる」と強調した。