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シトリックスがAzure対応の新DaaSを提供、蓄積したVDIの知見をよりリーズナブルに活用可能
2020年11月6日 06:00
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は5日、Microsoft AzureからWindows仮想デスクトップおよび仮想アプリケーションを配信する、「Citrix Virtual Apps and Desktops(CVAD) Standard for Azure」 の提供を始めた。Azure専用のDaaS(Desktop as a Service)で、本格的な仮想デスクトップ環境(VDI)を手ごろな価格で素早く、簡単に導入できる。
一般的なDaaSとは異なり、ユーザーが持つAzure環境を持ち込むことができる。支払いも年額だけでなく、月額、同時接続ライセンスにも対応している。25ユーザーから2000ユーザーまで対応しており、SMBからエンタープライズ規模まで、幅広い規模のユーザーが利用できる、リモートワークに最適なソリューションとして提供していく。
エンタープライズ領域で蓄積してきたVDIの知見を、よりリーズナブルに活用
CVAD Standard for Azureに関して、シトリックス セールスエンジニアリング本部エンタープライズSE部 部長の國分俊宏氏は、「運用の柔軟性と効率性でメリットを持つDaaSの良さと、恒久的なテレワーク基盤に耐え得る機能性を持つ本格VDIの機能性を兼ね備えた新しいサービスとして提供する。シトリックスがエンタープライズ領域で蓄積してきたVDIの知見を、よりリーズナブルにご活用いただけるサービス」と説明する。
Windowsデスクトップおよびアプリケーション仮想化がクラウド上で展開されるため、仮想マシン増減に迅速に対応できるなど、高い柔軟性を保つことができる。Citrix仮想ソフトウェアや仮想環境用ハードウェアを購入することなく、Citrix CloudやMicrosoft Azureなどのクラウドサービスでデスクトップとアプリケーションを利用可能な点も特長で、ユーザーは初期費用を削減できるほか、安全なリモートワーク環境を低コストで構築できる。
同社のラインアップとしては、500ユーザー以下での利用を想定している「Citrix Virtual Desktops Services」と、1000ユーザー以上の利用を想定する「Citrix Virtual Apps and Desktops Services」の中間の位置付けとなる。
導入する場合には、シトリックスが海外でのみ提供している「Citrixが提供、管理するAzure環境(海外のみ、複数可)」、「ユーザー持ち込みのAzure環境(国内外、複数可)」、「ユーザーの物理オフィス環境(国内外、複数可)」の3通りがあり、併用しての導入も可能になるという。
導入から展開までの流れも、次の4つのステップで実現する。
1)ユーザーの既存Azureサブスクリプションを持ち込むことが可能なAzureの持ち込み
2)マスターイメージをベースにリンククローンまたはフルクローンで、マスターを作成
3)ユーザー割り当て用のホスト仮想マシンのコレクション=マシンカタログの作成
4)ADアカウントからユーザーやグループをカタログに割り当て
クラウドベースの管理、プロビジョニング、任意のデバイス配信のための管理機能など、Windowsデスクトップとアプリケーションを安全に、シンプルかつ迅速に供給するために必要なすべての機能を備えている。
CitrixがホストするWindows仮想デスクトップを配信し、マルチセッションWindowsマシンからアプリを配信するためのクラウドベースの管理とプロビジョニングを提供。Citrix HDXプロトコルが組み込まれたCitrix Workspaceアプリ使用による幅広いデバイスからの高品位ユーザーエクスペリエンスを提供する。
Azure基盤の専用クライアントOSやOffice365のパブリッククラウド上でのセキュアな利用が可能。Windows Sever OS、Widows Clint OS、Linux OSに対応し、物理PCを使ったリモートPCアクセスに対応する。
シトリックスのソリューションSE部 プリンシパルソリューションエンジニアの小島薫氏は、ユーザー自身がAzureを持ち込むことのメリットとして、「既存のAzure契約の割引を利用できること、国内外任意のAzure商用リージョンを利用可能なこと、国内のマイクロソフト クラウドサービスプロバイダーのサポートを受けることができるなど、複数のメリットがある」とアピールした。
記者会見には、日本マイクロソフト パートナー技術統括本部クラウドソリューションアーキテクトの高添修氏も登壇した。
高添氏は、マイクロソフト自身が提供するDaaS「Windows Virtual Desktop(WVD)」との違いについて、超シンプルな管理ポータル、イメージ管理を包含したリンククローン、コスト削減に効く柔軟な電源管理、Teamsをはじめ多彩なコミュニケーションツールに対応していることなどを評価できるポイントとして挙げた。
「Azureに関しては、競合となる企業の製品にも対応する姿勢をとっている。例えば、競合となるレッドハットとは連携も行っている」(高添氏)と、競合となる製品を提供する企業とも協調する部分は協調している姿勢であることを強調した。
さらに、WVDとCVAD Standard for Azureとの比較し、付加価値があると紹介。ユーザーにとってもメリットがあるサービスであると紹介した。