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米Dell Technologies、ITのサービス化を加速する「Project APEX」を発表

 米Dell Technologiesは21日、新戦略「Project APEX」を発表した。ITをサービス化するas-a-Serviceを加速するもので、利用者にシンプルさ、希望の形態で支払いが行える選択肢を提供するとともに、オンプレミスからクラウドまでの一貫性も実現できるという。

 Dell Technologiesのプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント、サム・グロコット氏は、「他社との大きな違いは、提供している製品の幅広さ。ストレージ、サーバー、ネットワーク、ハイパーコンバージド、そしてクライアント機まで提供しているからこそ、包括的かつ一貫した戦略でas-a-Serviceを提供できる。他社が点と点をつなげて線としているのとは全く異なる」と強調。幅広い製品群を持つ同社の強みを生かしたサービス化戦略だと説明した。

Project APEX
Dell Technologiesのプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデント、サム・グロコット氏

4つのサービスを提供

 Project APEXは、シンプルさを実現するために、IT操作を数回のクリックだけで作業を完結するサービスソリューションを目指す。ユーザーはさまざまな選択肢を持つことが可能で、支払いについてもいくつかの方法を提供する。

 さらにクラウドやエッジなどを横断的に利用できるなど、各業務において、一貫性のある作業を行える環境を提供していくとのこと。

シンプルさ、選択肢、一貫性の3つがキーワード

 なおDell Technologiesでは、1年前に従量課金サービス「Dell Technologies on Demand」を発表しているが、Project APEXは、これをさらに強力にしたものだという。「Dell Technologies on Demandは、13億ドルの売上、1000社以上のユーザーを獲得するなど勢いに乗っている。この勢いをAPEXにも生かしていく。両者の違いは、APEXが将来を見据えた“as-a-Service”となっている点だ」(グロコット氏)。

 具体的には、次の4つを提供することが現時点で決定している。

4つのサービスを提供
Dell Technologies Cloud Console

 現在利用中のクラウドおよびas-a-Serviceのあらゆる側面を管理可能な、単一なセルフサービスインターフェイス。10月21日からパブリックプレビューがスタートし、限定されたユーザーの利用がスタートする。その後、2021年前半に本格的な利用が開始される予定となっている。

 Dell Technologies Cloud Consoleは、Project APEXの基盤となる。ユーザーがクラウドおよびas-a-Serviceでのジャーニーを管理するために、シームレスな体験を提供するとしており、ユーザーは、クラウドサービスとソリューションのマーケットプレイスにアクセスし、利用したいものを購入することで、自分のニーズを実現できるという。

 ワークロードの展開やマルチクラウドリソースの管理、リアルタイムのコストモニタリングなどの機能追加も、数クリックで可能となる。日本を含めたアジア地域での提供は、2021年前半を予定している。

Dell Technologies Cloud Console
Dell Technologies Storage as-a-Service

 スケーラビリティと柔軟性を備えたオンプレミス、as-a-Service ポートフォリオで、ブロックおよびファイルデータサービスと幅広いエンタープライズクラスの機能を提供する。オンプレミスではあるが、Dell Technologiesが導入および管理を行うことで必要に応じて利用量を増減可能な特徴を持つ。

 またOPEX(運用コスト)処理用に設計されており、ユーザーは自社のStorage as-a-ServiceリソースをDell Technologies Cloud Consoleを通じて簡単に管理できる。提供時期は2021年前半を予定。

Dell Technologies Storage as-a-Service
Dell Technologies Cloud Platform

 先進的な機能強化により、インスタンスベースでクラウドコンピュートリソースが利用可能となる。導入のハードルが低くなると同時に、サブスクリプションの利用可能な範囲が拡大する。例えば仮想デスクトップでは、ユーザー自身が最適なものを選ぶことも可能になるという。

Dell Technologies Storage Cloud Platform
Flex on Demand

 事前構成済みの価格で、利用者は頭を悩ませることなくデル・テクノロジーズのソリューションを選択できる。世界中のパートナーから製品を調達できるとのことで、日本でも利用可能となっている。