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デル・テクノロジーズ、as-a-Serviceポートフォリオ「Dell APEX」の機能強化を発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間22日、クラウドプラットフォーム、パブリッククラウドストレージソフトウェア、クライアントデバイス、コンピュートのすべてを網羅した新しい「Dell APEX」ソリューションを発表した。

 Dell APEXは、デル・テクノロジーズのさまざまなポートフォリオを“as-a-Service”で提供するソリューション。デル・テクノロジーズでは、Dell APEXの新しいソリューションが、データセンターからパブリッククラウド、クライアントデバイスまでを網羅する包括的なas-a-Serviceおよびマルチクラウドポートフォリオに加わったことで、顧客はアプリケーションやデータの場所に関係なく管理とモビリティを向上させ、より迅速な運用と革新を実現できるようになるとしている。

 マルチクラウド運用に向けては、デル・テクノロジーズのインフラストラクチャー、ソフトウェア、クラウドオペレーティングスタックを統合する、完全に統合されたターンキーシステムの「Dell APEX Cloud Platforms」を提供。クラウド運用モデルをオンプレミス環境やエッジ環境に拡張することで、一貫したマルチクラウド運用を実現する。

 個々のワークロードは、共通のマルチクラウドストレージ層全体にわたってデータモビリティを確保しながら、必要なパフォーマンスやコスト、セキュリティなどの要件に基づいて、最適な場所へ展開できる。顧客は、オンプレミス環境と「Dell APEX Block Storage for Public Cloud」展開環境の間で、シームレスにデータを移動できる。各システムは、ユーザーが使い慣れている管理ツールやソフトウェア主導の自動展開・ライフサイクル管理によって、IT部門と開発者が生産性を高められるように設計・構築されている。

 これらのクラウドプラットフォームは、Microsoft、Red Hat、VMwareとのコラボレーションを基盤に開発されている。

 「Dell APEX Cloud Platform for Microsoft Azure」は、Microsoftネイティブな管理ツールと、デル・テクノロジーズおよびMicrosoftのコラボレーションを基盤にしたフルスタックの統合および自動化ライフサイクル管理により、Azureのハイブリッド体験を強化する。このプラットフォームは、アプリケーションのモダナイズ(最新鋭化)に最適で、Azure Arcを活用したオンプレミス データセンター、エッジ ロケーション、Azureパブリッククラウドで一貫した運用とガバナンスを実現し、Azure Arc対応のインフラストラクチャーをベースに、Azureから短期間で価値を引き出せるとしている。

 「Dell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShift」は、Kubernetesを基盤にしたハイブリッドクラウドアプリケーションプラットフォームで、アプリケーションを開発・展開する場所に関係なく、フルスタックのソフトウェア統合と自動化を通じて、コンテナベースのアプリケーション開発と管理を簡素化する。顧客は、あらゆるハイブリッドクラウド環境を網羅した幅広いGPUサポートにより、人工知能(AI)/機械学習(ML)やアナリティクスを含む多様なワークロードに対応する統一された体験を通じて、Kubernetes内でネイティブにコンテナと仮想マシン(VM)を並べて実行できる。これらは、エンタープライズ向けKubernetesを使用し、エンタープライズLinuxプラットフォームであるRed Hat Enterprise Linuxを基盤にした設計において、デル・テクノロジーズとRed Hatが緊密にコラボレーションしてきた成果だとしている。

 「Dell APEX Cloud Platform for VMware」は、デル・テクノロジーズのソフトウェアデファインドストレージ(SDS)とともに、完全な統合システムとしてvSphereを展開する柔軟性を提供する。この新しいプラットフォームは、Dell APEXポートフォリオの中で「Dell APEX Private Cloud」と「Dell APEX Hybrid Cloud」を結び付け、マルチクラウドへの移行を進めているVMwareユーザーに、より幅広い選択肢を提供する。

 パブリッククラウド向けのストレージとしては、「Dell APEX Storage for Public Cloud」を提供。デル・テクノロジーズは、Project Alpineを実現することで、エンタープライズデータストレージのパフォーマンスと高度なソフトウェア機能をパブリッククラウドに提供すると同時に、デル・テクノロジーズのクラウドストレージおよびKubernetes管理への統合アプローチにより、運用面の簡素化を実現するとしている。

 「Dell APEX Block Storage for Amazon Web Services(AWS)」「Dell APEX Block Storage for Microsoft Azure」「Dell APEX File Storage for AWS」は、デル・テクノロジーズのエンタープライズクラスのストレージパフォーマンス、拡張性、サイバーレジリエンスと、パブリッククラウドの経済性およびアナリティクスやAIといったサービスを統合して提供する。顧客は、ビジネスニーズに基づいて、クラウド戦略を細かく調整でき、また、オンプレミスストレージとパブリッククラウド間の高度なデータモビリティと一貫した管理により、既存のスキルセットを最大活用できる。

 「Dell APEX Block Storage」は、独自のスケールアウトアーキテクチャーにより、ミッションクリティカルなワークロードに合わせて、パフォーマンスと容量を急速に拡張できる。また、マルチAZにデータを効率的に配分することで、レジリエンスを強化できる。「Dell APEX File Storage」は、エンタープライズクラスのパフォーマンスと機能をパブリッククラウドに提供する。AIやML、メディア/エンターテインメント、ライフサイエンスといったパフォーマンス重視の多様なワークロードをサポートできる。

 これらのソリューションは、デル・テクノロジーズのパブリッククラウド向けSDSポートフォリオの一部として、「Dell APEX Protection Storage for Public Cloud」に加わる。「Dell APEX Protection Storage」は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Alibaba Cloud向けのデータ保護ストレージで、現在までにパブリッククラウドでデル・テクノロジーズのソフトウェアが保護しているデータ量は、17EB(エクサバイト)を超えるという。

 「Dell APEX Console」の機能強化には、管理、展開、データ モビリティ、検出のための新しいSaaSサービスが含まれる。これらのサービスにより、運用チームによるマルチクラウドストレージとKubernetesクラスターの保守管理を容易にする。

 「Dell APEX Navigator for Multicloud Storage」は、「Dell APEX Block Storage」および「File Storage」の管理を一元化・簡素化してセキュリティを確保するSaaSで、オンプレミス環境とパブリッククラウド環境間の容易な構成、自動展開、ストレージ監視、データ モビリティを実現する。これにより、顧客はマルチクラウド資産を大規模で一貫して安全に管理し、ビジネスニーズに合わせてワークロードの配分を最適化できる。

 「Dell APEX Navigator for Kubernetes」は、Kubernetesのストレージ管理を簡素化するSaaSで、容易に展開・管理できる「Dell Container Storage Modules」により、データレプリケーションやアプリケーションモビリティ、可観測性などの高度なデータサービスをコンテナに提供する。