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NTT東日本とクラスメソッド、新会社「ネクストモード」の事業展開について説明
クラウドの導入から保守運用までをトータルで支援
2020年6月9日 11:00
東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)とクラスメソッド株式会社は6月8日、共同出資により7月1日に設立予定の新会社「ネクストモード株式会社」について、企業コンセプトや事業概要、新サービスなどを説明する記者発表会をオンラインで開催した。
ネクストモードは、さまざまなクラウド技術や製品を組み合わせた、パブリッククラウドの導入コンサルティング・保守運用を主な事業とし、「クラウド分野のパートナー」として企業の競争力向上と新しい働き方をサポートする新会社。NTT東日本とクラスメソッドが共同出資し、7月1日に設立する予定。
新会社設立の背景について、NTT東日本 代表取締役副社長の澁谷直樹氏は、「私は福島支店長時代に東日本大震災を経験し、当時オンプレミスで管理していた住民・顧客データの喪失や通信インフラの断絶、ICT機器の損壊など大きなダメージを受けた。また、避難者の健康管理情報も共有できない状況だった。もし、事前にパブリッククラウドを活用していれば、こうした事態を防ぐことができたと後悔している。それ以来、クラウド事業に力を注いできたが、今回、さらなるクラウド推進に向けて、クラスメソッドと共同出資による新会社を設立する。クラスメソッドの持つパブリッククラウドの技術力・活用力と、当社の持つネットワーク力を組み合わせることで、クラウド導入をフルサポートする新たな事業を展開し、業界全体を変えていきたい」と語った。
クラスメソッド 代表取締役社長の横田聡氏は、「当社は、パブリッククラウドに特化した技術・ノウハウを自社で蓄積し、内製化を進める先進企業を中心に技術提供してきた。また、技術コンサルで得た先進事例を技術ブログで発信している。一方で、現在クラウドの導入フェーズは、アーリーアダプタからマジョリティーへと移りつつあり、より丁寧な導入・運用のサポートが求められているが、当社にとってこの部分が弱点となっていた。そこで今回、NTT東日本との協業による新会社を通じて、低レイヤーから高レイヤーまで横断的なクラウド導入支援サービスを提供することで、顧客ニーズと当社の提供価値とのギャップを埋めていく」と述べた。
そして、ネクストモードの代表取締役社長に就任する里見宗律氏が、新会社の企業コンセプトについて説明。「ネクストモードは、クラウド専業の事業会社として設立し、『クラウドで新しい働き方を社会に浸透させる』ことをミッションとして事業を進めていく。東京・秋葉原に小さなオフィスを構えるが、全メンバーがテレワークで働く会社となる。ネクストモードという社名には、効率化や安定性を重視する“モード1”から、柔軟性や俊敏性を求める“モード2”へ、顧客と共に考え、歩んでいくという思いが込められている。クラウドを導入したくてもできていない企業に向けて、手厚いサポートを提供し、ビジネスへのクラウド活用を支援していく」とした。
全社員がテレワークで働く狙いについては、「新型コロナウイルスの影響でテレワークの導入が急速に進んでいるが、印刷・押印・郵送が当たり前の“昭和の働き方”の企業では、テレワーク導入が難しいのが実情だ。こうした“昭和の働き方”をクラウドで変えていくために、当社自身がオフィスを持たない働き方を実践する。ドキュメント作成からWeb会議、プロジェクト管理、契約、会計、労務まですべてクラウドを活用し、いわば“クラウドの実演販売”を行っていく」(里見氏)との考えを示した。
ネクストモードが提供する新サービスとしては、「クラウドSI構築」、「クラウド保守運用」、「クラウドへの最適なネットワーク提供」の3つを挙げ、「テレワークの普及により故障の切り分けポイントが増加している中で、クラウドからネットワークまでを一元提供できるのはネクストモードの大きな強みになる」(里見氏)としている。
具体的には、クラウドSI構築では、高い技術力でマイグレーションにおける設定、データ移行などを実現し、柔軟性の高いクラウドシステムを数週間で構築する。クラウド保守運用では、従来の監視運用サービスに加えて、24時間365日、電話1本でクラウドの設定変更に何度でも即時対応する高度な代行作業を実施する。クラウドへの最適なネットワーク提供では、閉域網だけでなく、クラウドセキュリティのNetskopeやZscalerなどに対応し、インターネット経由でのゼロトラストネットワークも提供していく。
なお、新会社設立キャンペーンとして、「テレワークサポートキャンペーン」と「AWS無料診断キャンペーン」を実施することをあわせて発表した。「テレワークサポートキャンペーン」では、オフィスフリーで働くネクストモードが活用しているクラウドを中心に、顧客にあったクラウドコンサルティングを累計5時間まで無料で実施する(先着20社限定)。また、クラウド型テレワーク(Amazon Workspaces)導入にあたっての初回構築費用を何台でも無料で提供する(先着100社限定)。
「AWS無料診断キャンペーン」では、不要なリソースを洗い出し、コスト削減可能な金額と項目を無料で伝える。また、AWS内のセキュリティ診断を実施し、さまざまな脅威を検知。改善に向けたアドバイスを行う(先着50社限定)。