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ヴィーム、データ保護機能を向上させたバックアップ製品「Veeam Availability Suite v10」

NASバックアップやランサムウェア対策の機能を強化

 ヴィーム・ソフトウェア株式会社(以下、ヴィーム)は19日、バックアップソリューションの新版「Veeam Availability Suite v10」を一般提供開始したと発表した。同日には、同社が提唱するクラウドデータマネジメントのビジョンや新版の機能強化ポイントについて説明会が行われた。

 「Veeam Availability Suite」は、クラウドデータマネジメントを実現する同社の主力バックアップソリューション。今回の新版では、データの可用性、ポータビリティ、拡張性を向上させる次世代データ保護機能を導入しているという。また、NAS向けに最新のファイルデータ保護を提供。ランサムウェア保護の大幅な強化と、マルチVMインスタントリカバリによる災害復旧(DR)の自動化も実現する。

 このほかにも、プラットフォーム拡張性の強化、APIを介したデータマイニングなど、150以上の大規模な機能強化を実施しているとのこと。

 ヴィーム 執行役員社長の古舘正清氏は、説明会で「Veeam Availability Suite」が実現するクラウドデータマネジメントについて、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現には、マルチクラウド環境が必要不可欠になる。マルチクラウド環境では、データは動くことが前提であり、これに加えてデータの継続性とバックアップデータの利活用が求められる。クラウドデータマネジメントでは、こうしたニーズに対応し、バックアップと復元を簡素化するために必要なデータ管理基盤を実現する」との考えを述べた。

ヴィーム 執行役員社長の古舘正清氏

 また、同社が提供するクラウドデータマネジメントの機能要件として、「クラウドモビリティ」「監視と分析」「オーケストレーションと自動化」「ガバナンスとコンプライアンス」「バックアップと復元」の5つを挙げ、「これら5つの機能要件を網羅することで、最新のデータ保護とマネジメントを実現すると共に、データを再利用してデータセンターやクラウドでのイノベーションを促進することができる」とした。

クラウドデータマネジメントの概要

 そして、今回の新版「Veeam Availability Suite v10」では、クラウドデータマネジメントの可能性、ポータビリティ、拡張性を向上させる、新たなデータ保護機能を提供するとアピールしている。

 ヴィーム システムズエンジニア本部長の吉田慎次氏は、新版での注目の新機能として、「最新のNASバックアップ」「マルチVMインスタントリカバリ」「ランサムウェアのロックアウト」をピックアップし、それぞれの特徴を説明した。

ヴィーム システムズエンジニア本部長の吉田慎次氏

 「最新のNASバックアップでは、NAS向けのデータ保護を再定義し、ファイルベースのバックアップ機能を提供。膨大なファイルデータの共有や大規模かつ高速での並行処理を実現した。マルチVMインスタントリカバリでは、次世代のインスタントリカバリエンジンを利用し、サービス継続性を向上する。これにより、あらゆるプラットフォームのバックアップをVMware vSphereで瞬時に復元可能となった。ランサムウェアのロックアウトでは、S3オブジェクトロック機能と書き換え不能なバックアップによって、ランサムウェアを100%排除することができる」としている。

「Veeam Availability Suite v10」の特徴

 また、バックアップ機能の主なアップデートとしては、バックアップストリームの並列処理によりSAPとOracleのバックアップを強化、スケーラビリティを拡充しMySQLやPostgreSQLなどのLinuxベースのデータベースの保護を強化、オフサイトの冗長性を自動化することで3-2-1ルールへの迅速な対応を実現したとのこと。

 さらに、データ管理機能の主なアップデートでは、Nutanix AHVの保護機能を拡張、ファイルデータ管理の機能拡張、VeeamデータインテグレーションAPIを新たに提供しデータマイニングやセキュリティ分析へのバックアップコピーの活用などを実施している。

 なお新版では、引き続きMicrosoft Cloudをサポートしており、Veeam Availability Suite、Veeam Backup for Office 365、Veeam Backup for Azureとの統合も継続して利用可能となっている。