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フラワーオークションジャパン、VeeamとData Domainで仮想環境向けバックアップ基盤を刷新

 株式会社ネットワールドは11日、株式会社フラワーオークションジャパンが、VDI(仮想デスクトップ)向け、およびサーバー向け仮想化基盤で利用しているバックアップ環境を刷新したと発表した。新システムでは、Veeam Softwareのバックアップツール「Veeam Backup & Replication」(以下、Veeam)と、Dell EMCのバックアップストレージ「Dell EMC Data Domain 3300」(以下、Data Domain)を採用している。

 花き(切花・鉢物)の卸売りを行うフラワーオークションジャパンでは、サーバー向けとVDI向け、2つの仮想化基盤を運用しており、従来はバックアップに共有ストレージを利用していた。

 しかし、ランサムウェアなどの被害が懸念されるほか、バックアップデータからのファイルリストア作業などに多くの工数を要していたため、バックアップシステムの刷新を検討。さまざまな製品を検討した結果、VeeamとData Domainの採用を決め、ネットワールドと、同社パートナーの富士ソフトによる支援のもとで新システムを稼働させた。

 Veeamの採用理由として同社は、VMwareユーザー会(VMUG)での情報交換において製品の評価が高かったこと、ハンズオン講習で分かりやすい操作を実感したことを挙げたほか、Data Domainと組み合わせることで、圧縮・重複排除機能によるデータ容量削減効果が見込める点も評価したという。

 新システムでは、バックアップデータの保存先を共有ストレージからData Domainに
変更しているが、ランサムウェアや障害などによるデータ損失リスクを大きく軽減できた。加えて、Veeamの使い勝手が高く評価されており、誤消去したファイルの復元作業など、以前利用していたツールでは非常に面倒だった作業が迅速に対応可能になったとのこと。

 なお、サーバー向け基盤のバックアップでは5種類のバックアップポリシーを設定し、各サーバーに割り当てているが、VMware vCenterとの連携機能が役立っているそうで、新規サーバーを立ち上げた際には、vCenter上からタグ付けを行うだけで自動的にそのサーバーに合ったポリシーが適用されるため、1台ずつ個別に設定作業を行う必要はないという。

 さらに圧縮・重複排除機能により、保存データ容量は約10分の1に削減されたのも大きなメリットとした。ちなみにVeeamでは、一部の重複排除処理をバックアップサーバー側でも行う「DD Boost(Data Domain Boost)」に対応しているため、大量データの転送も、効率よく短時間で行えるとのことだ。

 フラワーオークションジャパンは今後、別のツールを利用しているCIFS領域のバックアップもVeeamに統合するとともに、クラウドを利用したDR(災害対策)環境の構築なども検討していく考えである。