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ラック、マルチクラウドの効率的な運用管理を支援する「Terraform Enterprise」を販売

 株式会社ラックは9日、インフラ構成管理をコード化・自動化し、マルチクラウド環境の管理を支援するソリューションとして、米HashiCorp(ハシコープ)の「Terraform Enterprise」を提供すると発表した。

 クラウド環境における基盤システムの構築・管理にはGUIを利用するケースが多いものの、複数のクラウド環境やサーバーが数百台から千台にものぼる大規模システムにおいては、GUIによる手作業での構築や管理が、逆に管理者の大きな負担になってしまっているという。

 こうした状況の中で、システム構築や更新を自動化し、生産性の向上とミスの軽減を実現するソリューションとしてInfrastructure as Code(IaC)が注目を集めており、Amazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスでは、AWS CloudFormation、Azure Resource Managerなどの独自IaCを提供している。

 今回ラックが提供するTerraform Enterpriseも、こうしたIaC製品のひとつで、クラウド事業者が提供するものと異なり、マルチクラウドに対応できる点がメリット。製品は、オープンソースソフトウェア(OSS)として提供されている「Terraform」をベースにポリシー管理やコスト管理など、企業が求める機能を加えた商用版として提供される。

 具体的には、テキスト形式のファイル上に「どこのクラウドサービスのデータセンターで」「どのようなスペックを持つ仮想マシンやリソースを使うのか」といったインフラの状態をプログラムコードとして記述し、各クラウドへ反映する仕組み。対象となるクラウドが数百台、数千台に及ぶような場合でも、GUIを通した手作業による設定を行うことなく、インフラ環境の構築や変更を自動で行えるため、人為的なミスを引き起こすことなく、正確かつ迅速な対応が可能とした。

 また、コードでインフラの状態を記述することにより、プログラムのバージョン管理を行うGitHubなどのソースコード管理ツールを用いて、インフラの状態のレビュー、バージョン管理、テスト、デバッグなどを行えるので、再現や複製も容易になるとのこと。

 なお、クラウドサービスごとに異なる構成機能の違いや記述形式の違いはプラグインで対応するため、個々のクラウドサービス向けの記述が必要なく、簡単な管理を実現。マルチクラウド環境へ同時に作業を行えるので、迅速な対応が可能としている。

コード化したAWS構成例