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両備システムズ、サイボウズの「kintone」をLGWAN上で利用可能にするサービスを提供

 サイボウズ株式会社と株式会社両備システムズは16日、サイボウズの業務アプリ作成クラウドサービス「kintone」で作成したアプリをLGWAN(総合行政ネットワーク)上で利用できるサービス「R-Cloud Proxy for kintone」を、両備システムズが提供すると発表した。

 kintoneは、開発の知識がなくても、自身の業務に合わせたシステムを容易に作成できるサービス。作成した業務アプリはクラウドサービスとしてチーム内で共有して利用できるため、部署内に散在するExcelや、煩雑なメール、紙の書類など、バラバラになりがちな情報をひとつにまとめ、簡単に利用できるようになるという。

 こうした特徴から、kintoneは企業での利用が広まっているが、自治体でも効率的な業務遂行のための解決策のひとつとして、Excelなどを用いて手作業で行っていたバックオフィス業務などを、素早くアプリ化できるクラウドサービスの活用ニーズが高まっているとのこと。しかし個人情報を取り扱う業務などにおいては、閉域環境であるLGWANへの接続が求められるケースが多く、対応できるサービスが限られているのが現状という。

 そこで両備システムズでは、サイボウズとの連携により、職員が通常業務で利用しているLGWAN接続端末からkintoneを利用できるようにするサービス「R-Cloud Proxy for kintone」を製品化した。kintoneとLGWANを閉域でつなぐことにより、住民の個人情報もインターネットから分離された環境で安全に取り扱えるようになる。

 なお千葉県市川市では、LINEから住民票の写しなどのオンライン申請ができ、住民がLINEで請求した内容を市川市職員がkintone上で受理する実証実験を行った。この実証実験では、申請された住民票の写しは申請者の自宅へ郵送され、住民は一度も市役所へ行くことなく住民票の写しを入手することができるとのこと。

 市川市は、汎用性の高いオンライン申請サービスの導入について検討しており、LINEやWebフォームなどと連携できるkintoneの利点を生かして、市川市民がPCやスマートフォンといったモバイルデバイスから、幅広い行政サービスの申請ができるよう取り組んでいく予定。さらにセキュアな環境で住民が申請できるよう、「R-Cloud Proxy for kintone」の導入も予定している。