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中小規模にもオールフラッシュストレージを――、ネットアップがエントリーモデル「AFF C190」の国内販売を開始

ONTAP 9.6を採用、上位モデルと同等機能を利用可能

 ネットアップ合同会社は4日、オールフラッシュストレージの新製品として、エントリーモデル「AFF C190」の国内販売を開始したと発表した。同社のパートナールートを通じて販売する。

AFF C190

 現在、オールフラッシュストレージは大手企業での導入が進んでいるものの、コストの観点から中小企業では導入を見送る例が多いとのことで、新製品は、そうした課題に対応した製品と位置づける。

 具体的には、従来の最下位モデル「A220」では500万円程度からとしていた最小構成参考価格を大幅に引き下げ、270万円(税別)からに設定。オールフラッシュ導入時のコストを削減するとともに、日本で新たに導入するギャランティープログラムを組み合わせ、さらに導入しやすさを実現したという。

最小構成参考価格を大幅に引き下げ、導入のしやすさを実現

 ギャランティープログラムは、ストレージ装置に搭載されるSSDの論理容量に対して、最低でも3倍の実効容量(ユーザーが実際にデータを格納できる容量)を保証するもの。機器出荷日から180日以内であれば、3倍の容量に満たされない場合、要望に応じてネットアップから追加のシェルフとディスクを無償で提供する。

ギャランティープログラム

 AFF C190は、GB単価が同等となっている1万rpmのSAS HDDと比べて約10倍のパフォーマンスを持つほか、ファイルデータやブロックデータをひとつのシステムで管理でき、シンプルさを実現しているのが特徴だという。

 2Uサイズに2つのコントローラを搭載した高可用性構成が可能で、960GB SSD×8/12/18/24の4種類の構成が用意される。ギャランティープログラムによる3:1の効率化時の最大実効容量は、55TBとなる計算だ。

 また、10GBASE-Tによるイーサネット構成と、ファイバチャネル/Converged Network Adapter(CNA)によるユニファイド構成を選択可能。「ファイバチャネルを敷設していない中小企業やブランチオフィスでも容易に導入できる」(ネットアップ システム技術本部ソリューションアーキテクト部シニアソリューションアーキテクトの大野靖夫氏)とした。

ネットアップ システム技術本部ソリューションアーキテクト部シニアソリューションアーキテクトの大野靖夫氏
AFF C190の特長

 さらに、ストレージOSのONTAP 9.6を活用することで、データの削減や重複排除、圧縮を実現。シンプロビジョニングやスナップショット技術により、企業内のデータを効率よく収納することができる。

 リカバリについても、従来の非同期に加えて、同期型のSnap Mirror Synchronousにより、ゼロデータロスで高速なリカバリが可能になるとのこと。

同期型のSnap Mirror Synchronousによるデータ保護

 また、クラウド統合機能を強化しており、バックアップやディザスタリカバリ(DR)、ストレージ階層化、ストレージ分析、ワークロードのクラウド移行、コンテナ対応などを図った。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud、IBM Cloudといったパブリッククラウドへの対応も行っている。

 このうちクラウド移行では、自動クラウドティアリング機能「FabricPool」を提供。「あまり使われていないデータについては、筐体のなかからクラウドに移行するといった自動管理を行い、容量を有効に活用することができる。ティアリング先としては、AWSやAzure、Google Cloud、IBM Cloud、Alibabaといった選択肢を用意している」という。FabricPoolをクラウドで利用するためのライセンスとして、10TBを無償で提供している。

クラウド統合機能
自動クラウドティアリング機能「FabricPool」を提供

 分析では、AIベースのストレージ予測・分析サービス「NetApp Active IQ」により、予測に基づく自己回復機能や環境全体の分析を提供する。新たな機能として、必要なパフォーマンスの予測や、データ保護にリスクを持つボリュームの識別、オールフラッシュに移行すべきワークロードの推奨機能などを追加した。

AIベースのストレージ予測・分析サービス「NetApp Active IQ」

 ネットアップ 執行役員 アライアンス営業推進本部の北野宏本部長は、「国内のオールフラッシュストレージ市場は、2018年度実績で前年比約30%増の成長を遂げており、伸びしろの大きな分野である。当社はオールフラッシュストレージでは一時出遅れたが、2018年度には前年比約49%増の成長率を達成。国内オールフラッシュアレイ市場における販売金額では20.9%と、トップシェアを獲得している」との実績をアピール。

 「当初は先進的なデータセンターなどが中心となっていたが、昨今では、エンタープライズ企業にも導入が進んでいる。ネットアップは、オールフラッシュストレージをすべてのユーザーに提供するために、エントリー価格で、中小企業に対してもエンタープライズ機能を提供することができる製品を用意した。OSにはONTAP 9.6を採用しており、上位モデルと同じ機能を利用してもらえる」など、新製品のメリットを強調していた。

ネットアップ 執行役員 アライアンス営業推進本部の北野宏本部長