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ServiceNow Japan、「Now Platform」の最新バージョン「Madrid」を発表

ネイティブなモバイルアプリケーション開発機能を追加

 ServiceNow Japan株式会社は18日、企業全体の定型業務プロセスを簡素化、自動化するシングルプラットフォーム「Now Platform」の最新バージョン「Madrid」を発表した。同日に行われた記者説明会では、「Now Platform」の事業戦略および新バージョンの機能概要について説明した。

 今回発表した最新バージョン「Madrid」では、新たにエンタープライズ向けのネイティブなモバイルアプリケーション開発機能を追加した。これにより、企業はモバイルファーストかつモバイルフレンドリーな職場環境を実現でき、従業員は場所にとらわれることなくスマートフォンのスワイプ操作だけで、「依頼を振り分けて問題を解決する」「サポートを受ける」といったことが可能になるという。

 説明会に登壇したServiceNow Japan社長の村瀬将思氏は、グローバルにおけるServiceNowのビジネス状況について、「当社は、働き方改革をデジタルトランスフォーメーションによって実現するべく、直感的な業務プラットフォーム『Now Platform』をクラウド上で提供している。現在、グローバルで8600人の社員を抱え、売り上げは毎年3割以上の伸びで成長を続けている。『Now Platform』ユーザーのRenewal Rateは98%となっており、クラウドサービス事業者の中ではトップであると考えている。また、Global2000の企業の46%が当社のユーザーとなっている」と述べた。

ServiceNow Japan社長の村瀬将思氏

 日本でのビジネス戦略に関しては、「日本市場には2013年から進出し、2年ほど前に戦略市場として指定された。具体的な施策としては、『Now Platform』の国内リソース育成に向けて、カスタマーサクセスを中核にした“Connect「つながる」”戦略を推進しており、東京と大阪でユーザー会を展開しているほか、昨年はハッカソンを初開催した。さらに今年は、NTTコミュニケーションズのファシリティを活用した国内データセンターを東京と大阪に開設する計画だ。これにより、法的に海外にデータを保管できない金融機関や政府・官公庁、医療機関なども、全面的に『Now Platform』を活用できるようになる」としている。

“Connect「つながる」”戦略の概要

 「Now Platform」は、社内のIT体験を変革する「ITワークフロー」、次世代の従業員体験を実現する「従業員ワークフロー」、顧客の満足度を高める「カスタマーワークフロー」の大きく3つのクラウドソリューションで構成される。

 最新バージョン「Madrid」では、これらのソリューションポートフォリオ全体にわたって、ネイティブなモバイルアプリケーションに関連する機能を含めた多数の新機能を追加している。

 「『Madrid』は、モバイルプラットフォームとエージェントエクスペリエンスの機能にフォーカスし、昨年7月1日から開発がスタートした。開発にあたっては、1400人のエンジニア、120人のデザイナー、235人のプロダクト/プログラムマネジャーが関わり、600件を超える新機能を追加した。とくに、ネイティブなモバイルアプリケーション開発機能が組み込まれたことで、顧客はコンシューマと同等の優れたモバイル体験を職場で提供し、デジタルトランスフォーメーションを加速させることができる」(村瀬氏)とした。

「Now Platform」のソリューションポートフォリオ

 主な新機能として、「ServiceNow Mobile Studio」では、ノーコードの開発環境でドラッグ&ドロップだけで、誰でもiOSおよびAndroidのネイティブアプリケーションを構築して展開することができる。

 また従業員は、オフライン環境を含めたあらゆる場所で、読み取りと書き込みができるアプリケーションを使用可能となる。企業は、カメラを活用したハードウェア資産管理アプリケーションや、GPSを使用した施設管理アプリケーションなどを開発することもできる。

「ServiceNow Mobile Studio」の機能概要

 「Agent Workspace」は、仕事を優先順位付けして実行に移すための新しいコマンドセンター。アクティビティストリームが最新の更新情報を監視し、機械学習によって類似するインシデントを表示する。カスタマーサービス部門やIT部門で利用されるエージェントは、単一のダッシュボードから、問題を解決するために必要な背景情報を迅速に得ることができる。

「Agent Workspace」の機能概要

 また、「ITオペレーションマネージメント」に新機能「Alert Intelligence」を追加した。これにより、ITオペレーターは、過去のインシデントに関する深いインサイトや、過去に起きた同様のアラート、ナレッジベースの記事やユーザー基準などから導き出されたアラートの優先順位付けに基づいて、最も重要な問題に専念することが可能となる。

 ITオペレーションのチームは、サービスパフォーマンスの問題やサービス停止などの根本原因を迅速に特定でき、他のチームと協力して、同じコンソールから修復のワークフローを開始することが可能としている。